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第1回 500件以上のレビューやクチコミを分析、マーケティングへ活用する方法

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利用者の率直な意見を得ることができるため、消費者だけではなくマーケティング担当者もECサイトへ寄せられるレビューを参考に施策やメッセージング、商品開発に活用していることも多いと思います。一方で、販売チャネル数やレビュー数が急増し顧客視点の理解に時間がかかります。そこでVENECTで提供している短期間でレビュー分析可能なサービスの活用事例を全4回に分けてご紹介します。第1回は、サービス活用によって見ることができる数値、分析のアウトプットを紹介します。実際に化粧品(ファンデーション)のレビュー分析結果を掲載しております。

大量のレビュー・・
大事なのは分かるけど分析している時間がない

マーケティング担当者は、SNS上やレビューサイトに投稿されているブランドや商品の感想を適宜確認はしているでしょう。しかし近年では、販売チャネル数やレビューサイト数、レビュー数が急増し、自社商品のレビュー全てに目を通し、定量的に分析することが難しくなっていると思います。また自社商品のレビューだけでなく、競合商品のレビューも分析しなければ適切な優位性を導き出すことは不可能です。
「そんなこと言っても・・この忙しい中、無数にあるレビューをどうやって分析したらいいのか」とお悩みの方も多いと思います。そこで今回はVENECTの分析サービスの特徴でもある ”自然言語解析” のキーワード解析を取り入れて分析を紹介します。
キーワード解析を活用することで、「どのような人達が、どのようなトピックを、どのように評価しているか」の定性情報を定量的に集計し、人力では対応しきれない大量のレビューも分析が出来ます。

実際にファンデーションのレビュー分析をしてみた

今回の分析では、以下の前提条件で分析を進めます。
[対象商品]
今回はサンプルとして、「化粧品メーカーのファンデーション部門」を想定し、分析をやってみましょう。自社内では、2つのタイプのファンデーションを取り扱っていると仮定します。
・リキッドファンデーション
・クッションファンデーション
なお、レビューサイトで取得した消費者レビューを利用し分析します。今回は、自社商品と競合商品・クッションファンデーションとリキッドファンデーション、それぞれ300件、合計1,200件のレビューを読み解いていきます。また、レビュー内には消費者の「感想や評価」だけでなく、レビュワーの特性(今回は”肌質”と”世代”の2点)も記載されているため、分析に利用します。

分析から見えてくる商品の特徴

商品ごとの言及トピックを知る

レビュー分析によって、ユーザーがレビューでどのようなトピックに言及しているかが分かります。そのためにまずレビュー内で言及されるトピックの傾向を検出します。(以下、言及されているトピック=言及トピックとします)その際に、各商品ごとのレビュー取得数の差による違いを避けるために、「対象のトピックに対し、各商品のレビュー内で言及される確率の傾向に違いはあるか」という観点で分析を行います。


この分析によって、各商品ごとの言及トピックが異なることが分かります。

言及トピックの傾向をより鮮明にする

各商品ごとに言及トピックの傾向を鮮明にするため、”リフト値”の概念を導入し、分析します。リフト値とは、特定の商品で対象のトピックが言及される割合 / 全体平均において対象のトピックが言及される割合で計算できる値です。結果をグラフ化すると以下の通りになります。


例えば「ツヤ」を対象に、「自社|リキッドファンデーション」でどれだけ言及されるかを分析します。
全体では約48%のユーザーが言及しているにも関わらず、自社のリキッドファンデーションの利用者は約50%が言及しているので、自社のリキッドファンデーション利用者は「ツヤ」への関心は概ね平均的であると解釈することが出来ます。「関心のある項目の確率と全体平均の確率を比較した値」がリフト値になります。今回のケースでは、「対象商品利用者内での言及確率」と「全体での言及確率」を比較することで導出します。
結果の考察
リフト値を利用して、特徴的なトピックをピックアップし、選ぶ商品の傾向をまとめることができます。
「自社|リキッドファンデーション」は言及される傾向が弱いトピックがなく、言及される傾向が強いトピックはテクスチャ−・マット・汗・肌荒れ・肌補正・薄付きであると言えます。そして「自社|クッションファンデーション」で言及される傾向が弱いトピックは厚塗り・薄づきで、言及される傾向が強いトピックはテクスチャ−・マット・汗であると言えます。

どのようなユーザーが各商品を選択しているか

レビュー内で「肌質」と「世代」を取得し、各商品を選択するユーザーの傾向を分析します。


結果、肌質や世代に応じて商品を選ぶ傾向は、やや変化が見られるものの、ユーザーの特性を1項目ずつ見ても顕著な傾向の差異は確認できません。そのため、第2回以降は「特性やレビュー内容の類似性に応じて複数のセグメントに分割し、各セグメントがどのような商品を好む傾向にあるか」を判断することで、セグメントごとのメッセージ開発やポジショニング戦略を検討します。

次回(第2回)は・・

今回の分析では、自然言語解析を活用し、「各商品ごとに、どのようなトピックが言及され、どのような生活者から選ばれているか」データを紹介しました。第2回以降では、より実践を想定したマーケティング分析を行います。分析結果を活用し、セグメント設計とメッセージ開発につなげる方法を紹介します。VENECTでは、今回紹介した口コミサイトに蓄積されているレビュー分析に加えて、分析結果を活用した施策立案までご支援しております。「この商品はどのように分析すべきか?」などお悩みの方は、以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください!