POSシステムの基本機能や種類、最新動向を徹底解説

POSシステムは、スーパーやコンビニを中心に長年利用されてきたシステムです。近年、販売チャネルや決済方法の多様化に伴い、POSシステムの活用方法を見直す機会が増えています。本記事では、POSシステムの概要や基本機能に加え、POSデータを活用したマーケティング施策の実践例、POSシステムを取り巻く最新動向をご紹介します。POSシステムの導入やさらなる活用に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
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Date2023年08月07日
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CategoryKnowledge
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Tag#planning
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POSシステムとは
まずはPOSシステムについて、概要やPOSレジとの違いを見ていきましょう。
POSは「Point of Sales」の略で、日本語では「販売時点情報管理」と訳されます。POSシステムでは、販売が発生したタイミングで商品名や価格、数量、日時などの情報を記録・集計します。POSシステムは、会計・決済機能に加え、売上・在庫・顧客情報・勤怠・注文などの幅広い管理機能を備えているのが一般的です。POSシステムをうまく活用すれば、店舗でのさまざまな業務を自動化し、管理者やスタッフの負担を軽減できるでしょう。さらに、収集した顧客および販売に関するデータは、売上拡大に向けたマーケティング施策の立案に大いに役立ちます。
POSレジとの違い
POSシステムとほぼ同義の意味で使われがちなのが、POSレジという言葉です。POSレジは、厳密にはPOSシステムを構成する仕組みの一部であり、POSシステムが搭載されたレジ端末を指します。POSレジでは、バーコードで商品情報を読み取り、商品名や個数、価格などの情報をPOSシステムに送信するのが一般的です。現在はスーパーやコンビニでよく見るターミナル型のPOSレジだけでなく、パソコン型やタブレット型、モバイル型などさまざまなタイプが登場しています。
POSシステムの基本機能
ここでは、POSシステムの基本機能として以下3つのポイントをご紹介します。
・会計・決済
・売上管理
・商品管理
会計・決済
POSシステムが搭載された一般的なPOSレジでは、バーコードリーダーで商品のバーコードを読み取り、自動で支払金額を計算します。従来からある現金やクレジットカードに加え、近年ではデビッドカードやスマートフォン決済、電子マネー決済など、多様な決済方法への対応が求められています。
売上管理
POSシステムでは、販売が発生するごとに売上金額や日時、購入者の属性、販売店舗などの細かいデータをリアルタイムに収集します。収集されたデータはPOSシステムに蓄積され、商品ごとや店舗ごと、あるいはチェーン全体での売上分析が可能です。売上データを分析することで、販売促進や在庫管理における改善ポイントが見つかります。
商品管理
POSシステムでは、店頭やバックヤードに陳列・保管する商品の管理も可能です。在庫数量を登録しておくことで、販売時のデータ入力によって自動で在庫計算がなされ、在庫情報をリアルタイムで確認できます。発注や仕入れ、棚卸、店舗間移動などの変動を細かく管理し、品切れや過剰在庫を防止します。実店舗と並行してECサイトを運営している場合も、システム連携によって一元管理が可能です。
POSデータを活用したマーケティング施策の実践例
POSシステムに蓄積されたデータを活用して、さまざまなマーケティング施策の立案が可能となります。ここでは、以下2つの実践例を見ていきましょう。
・販促施策や広告配信の最適化
・購買実績に基づくサポート
販促施策や広告配信の最適化
POSシステムでは、販売データによって顧客の購買情報を詳細に把握できます。それらをもとに販促施策や広告クリエイティブを最適化すれば、売上拡大につなげることが可能です。コンビニチェーン大手の「ファミリーマート」は、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」と顧客データの共同利用を開始すると発表しました。性別や年代、購入商品、購入場所など3,000万件以上の顧客データを匿名化したうえで集約します。それらのデータをもとにインターネット広告や店頭のデジタルサイネージでの配信内容を最適化し、売上拡大につなげるとされています。
購買実績に基づくサポート
POSシステムで収集した顧客データは、顧客の日常生活に対するよりよいサポートにもつなげられます。例えば、購入した商品の情報から顧客の食習慣を把握することで、栄養状態の改善に向けた的確なアドバイスが可能です。弘前大学と⻘森県生活協同組合連合会による「コープ健やかショッピングサポート」では、来店時に血圧や内臓脂肪、カロテノイド量などを測定したうえで、購入した食品の情報をスマートフォンの専用アプリで収集します。それらのデータをもとに想定される生活習慣病のリスクを洗い出し、食生活改善に向けたアドバイスを提供します。POSシステムをサービス品質の向上に活用する好事例だといえるでしょう。
POSシステムを取り巻く最新動向
POSシステムはコンビニやスーパーを中心に広く浸透していますが、近年ではその仕様や役割に変化も見られます。ここでは、POSシステムを取り巻く最新動向として以下3つのポイントをご紹介します。
・決済方法の多様化
・セルフレジの登場
・EC販売の浸透
決済方法の多様化
従来は現金やクレジットカードによる決済が主流でしたが、IT技術の進歩により電子マネーやスマートフォン決済、ID決済など、POSシステムで扱う決済の種類は多様化しています。特定の電子マネーやID決済でポイントを貯めるユーザーが増えているため、幅広い決済手段への対応が求められているといえます。
セルフレジの登場
レジに従業員を配置せず、顧客自身が機器や画面を操作することで会計を済ませる「セルフレジ」の導入も増えています。店舗側はスタッフを配置する必要がないため、人手不足の解消や人件費の削減につながります。ユニクロが導入するセルフレジでは、専用スペースに商品をまとめて入れるだけで商品情報が読み取られるため、顧客側にも面倒な作業が必要ありません。店舗・顧客双方にとって利便性が向上する取り組みだといえるでしょう。
EC販売の浸透
オンラインショッピングが一般化したことで、実店舗・ECサイトの双方で販売を行う企業が増えています。POSシステムをうまく活用すれば、実店舗とECサイトの販売実績を連動させ、販売や在庫のデータを一括管理できます。欠品や過剰在庫を防ぐためには、ぜひ活用したい機能の1つです。また、最近ではインターネットで注文した商品を実店舗で受け取る「BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)」のような手法も登場しています。オンライン・オフラインの取り組みをうまく融合させることで、顧客の利便性向上とそれに伴う売上の拡大が見込めるでしょう。
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最後に
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