ECサイト担当者必見! オンライン決済の利用状況を徹底解説

オンラインショッピングの浸透や決済手段の多様化に伴い、販売者にはオンライン決済への柔軟な対応が求められています。生活者の多くが利用するオンライン決済に対応していなければ、それだけで販売機会の損失につながるのです。各決済手段の利用状況を掴んだうえで対応を万全にしておくことが、販売拡大には欠かせなくなっています。本記事では、オンライン決済の概要やメリット・デメリット、近年の利用状況を徹底解説します。オンライン決済の導入や拡充を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
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Date2023年08月07日
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CategoryKnowledge
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Tag#BOPIS#EC#EC活用
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オンライン決済とは
オンライン決済とは、インターネットを介した代金の決済を指します。ただし、ネットショッピングから実店舗利用時の事前支払いまで、オンライン決済の種類や利用方法はさまざまです。具体的には、オンライン決済の手段として以下のようなものが挙げられます。
・クレジットカード
・ID決済(QRコード決済)
・キャリア決済
・コンビニ決済
・代金引換
もっとも多く利用されているのは、オンラインショッピングが浸透する前から所有者の多かったクレジットカードです。クレジットカード支払いに対応していなければ、販売機会の損失が起きていることは間違いないといえるでしょう。PayPayや楽天ペイなどに代表されるID決済(QRコード決済)も近年では利用が増えています。キャリア決済は、携帯電話の料金と合わせて請求を受ける支払い方法です。毎月のスマートフォンの利用料金とまとめて支払えるため、生活者にとって便利な手段です。また、インターネット上では購入の手続きだけ済ませ、実際の支払いはコンビニや玄関先で行う「後払い」も選択肢の1つです。多様な決済方法に対応することで、購入者の利便性は大きく向上します。
オンライン決済のメリット・デメリット
ここでは、オンライン決済の具体的なメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
オンライン決済のメリット
オンライン決済のメリットとしては、以下の3点が挙げられます。」
・販売者・購入者双方の利便性が向上する
・継続決済が可能である
・未回収のリスクを低減できる
オンライン決済なら、現金や請求書のやりとりをすることなく、インターネット上で取引が完結します。入力された情報をもとに自動で取引が完了するオンライン決済は、販売者にとっても購入者にとっても利便性の向上につながります。また、クレジットカードやキャリア決済では継続取引が可能な点も見逃せません。毎月定額を請求するサブスクリプションサービスを提供している場合、都度決済の処理をするのは大きな手間がかかります。支払いを面倒に感じた利用者が、更新のタイミングで継続をやめてしまうかもしれません。自動で更新が行われれば、双方にとってストレスがなく、手続きの煩わしさによる解約も防止できるでしょう。また、オンライン決済で即時請求することで、代金未回収のリスクを低減できるといったメリットもあります。
オンライン決済のデメリット
一方で、オンライン決済には以下のようなデメリットもあります。
・販売側に手数料がかかる
・情報漏洩の対策が必要である
・現金化に時間がかかる場合がある
例えば、販売者はクレジットカードの代金に対して数%の手数料をクレジットカード会社に支払う必要があります。実店舗での現金払いであれば手数料分は利益になるため、利益率に多少なりとも影響を与えるでしょう。また、オンライン決済のためには顧客に決済情報を入力してもらう必要があります。情報漏洩によって取得した情報が流出すれば、社会的な信用を失うことにもなりかねません。そのほか、現金での支払いと違ってオンライン決済では代金の回収までにタイムラグが生じます。状況によっては、資金繰りに悪影響を与える可能性もあるでしょう。
オンライン決済の利用状況を徹底解説
ここでは、オンライン決済の利用状況について以下3つのポイントでご紹介します。
日本におけるキャッシュレス決済の比率
まずは日本におけるキャッシュレス決済の比率を見てみましょう。海外と比較して現金決済がまだ多いとされる日本ですが、経済産業省がキャッシュレス決済を推進しており、利用率は年々高まっています。経済産業省「2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました」によると、2021年におけるキャッシュレス決済の比率は32.5%となっており、2010年の13.2%から大きく上昇しています。民間の消費支出のうち、約3分の1がすでにキャッシュレスに変わっているのです。キャッシュレス決済の浸透によってインターネット上で使える決済手段が増えたことで、オンライン決済の利用拡大にもつながっていると考えられます。
依然としてクレジットカードが主力
オンライン決済にはさまざまな手段がありますが、インターネットショッピングが普及する以前から長く利用されてきたクレジットカードがいまだに多くを占めています。長年の歴史によって決済手段として信用されていることから、新たな決済手段が登場しても引き続きクレジットカードが利用されているのでしょう。SBペイメントサービス株式会社「【第3弾】最新のECサイトにおける決済手段の利用実態調査結果を公開」によると、ECサイトでよく利用する決済手段としてクレジットカードを挙げた割合は男女ともに7割近くとなりました。2番目に多いPayPayが2割強にとどまっていることからも、クレジットカードの利用率の高さがよくわかります。
PayPayや楽天ペイが増加傾向
クレジットカードがオンライン決済の主な手段であることに変わりはありませんが、徐々にその他のオンライン決済手段の利用も増えています。特に、キャッシュレス決済の利用拡大に伴って増えているのがPayPayや楽天ペイの利用者です。SBペイメントサービス株式会社の同調査によると、クレジットカードやコンビニ決済、代金引換の利用が2018年から2021年にかけて減少したのに対し、PayPayや楽天ペイの利用は増えています。特に、PayPayは2018年の利用率が0%だったなか、2021年には23.5%と大きく上昇しています。
オンライン決済に対応しないリスクとは
多様なオンライン決済の手段が登場するなか、そもそもオンライン決済に対応していなかったり、使える決済手段の選択肢が十分でなかったりすれば、顧客の離脱による販売機会の損失が起きやすくなります。生活者はポイントを貯めたり特典のためにステータスを向上させたりといった目的で同じ決済手段を使うことが多く、対応していない場合は別のサイトや店舗に移ってしまう可能性があるからです。SBペイメントサービス株式会社の同調査では、よく利用する決済手段がない場合、約60%の男女がECサイトから離脱するという回答結果が出ています。オンライン決済に対応しないことは、事業を継続するうえで大きなリスクになるといえるでしょう。近年では、ID決済やキャリア決済といった決済の選択肢を増やすだけでなく、顧客の利便性を向上させる手段として「商品の受け取り方」を工夫する事例も増えています。オンラインで購入したものを店舗で受け取る「BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)」は、顧客に新たな選択肢を提供する仕組みとして注目されています。
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最後に
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