SKUは在庫量のコントロールに不可欠 |受発注における役割とは

自社の業務で在庫量の管理や受発注に携わっていると、「SKU」という単語に出会うでしょう。ほかの業務領域ではあまり聞かない用語のため、意味や役割がわからないという方は少なくないはずです。 本記事では、SKUの概要や必要な理由、受発注におけるSKU設定のメリット・デメリット、SKU設定のポイントをご紹介します。SKUについて理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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Date2023年09月12日
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CategoryKnowledge
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Tag#SKU#ナレッジ#受発注#在庫量#売上管理
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SKUとは?在庫量のコントロールに不可欠
まずSKUとは何なのか、以下3つのポイントでご紹介します。
・SKUは在庫管理上の最小識別単位
・SKUが重要な理由
・JANコードとは別に設定
SKUは在庫管理上の最小識別単位
SKUはStock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)の略語で、受発注や在庫管理を行う際の商品の最小識別単位です。同じ商品名でも、サイズや色、柄などが複数存在するケースは多いでしょう。例えば、化粧品の場合であれば以下のようなポイントが挙げられます。
・内容量/サイズの違い
・色の違い
・香りの違い
・パッケージの違い
それぞれの特徴ごとに1つのSKUとしてカウントすることで、商品の在庫管理や受発注の精度を高めることが可能です。
SKUが重要な理由
品目ごとの在庫量を常に適切に保つためには、SKUごとの管理が不可欠です。例えば化粧品のファンデーションの場合、細かな色味の違いによって10種類以上に分かれることも少なくありません。また、通常商品と詰め替え用で容器が異なる場合もあります。
それぞれ別のSKUとして識別することで、人気やトレンドの変化に合わせた適切な在庫コントロールが可能になるのです。特定のSKUをまとめて受発注や在庫管理を行ってしまえば、SKU単位で見たときに欠品や過剰在庫が発生することでしょう。
JANコードとは別に設定
JANコードは、商品を識別するためにメーカー側が設定するコードです。商品を販売する際にPOSレジで読み取るバーコードをイメージすれば分かりやすいでしょう。
関連記事:「POSシステムの基本機能や種類、最新動向を徹底解説」
JANコードは国際規格に則ったもので、日本では一般財団法人流通システム開発センターによって管理されています。メーカーによって発行されたJANコードは流通上の関連業者に共有され、共通のコードとして利用されます。一方、SKUはあくまで社内での在庫・商品の管理を目的として設定するものです。SKUの設定方法に決まりはないため、社内でルールを定め、運用する必要があります。
受発注におけるSKU設定のメリット
商品の受発注においてSKUを設定することには、以下のようなメリットがあります。
・在庫管理の精度が上がる
・受発注が効率化される
・多品目の取り扱いが可能になる
順番に見ていきましょう。
在庫管理の精度が上がる
SKUごとに在庫量や販売量を詳しく把握することで、在庫管理の精度が上がります。例えば、同一商品で色の異なるものを同じ商品識別コードでまとめて管理してしまうと、色ごとの在庫量に少なからず偏りが生じるでしょう。
口紅の場合であれば、ローズ系・オレンジ系・レッド系などの大まかな分類に加え、各系統ごとにさらに細かな違いがあります。最小の識別単位であるSKUで管理すれば、個別商品の売れ行きに応じてリアルタイムで細かな発注量の調整が可能です。
関連記事:「在庫量を解説!適正在庫の計算方法や維持する方法とは?」
受発注が効率化される
また、SKUごとに商品のデータを登録しておくことで細かな単位での受発注を即座に実行できるため、業務の効率化につながります。SKUによって細かくシステム上の管理をしていない場合、詳しい注文内容を別途記載したり伝えたりする必要が生じるでしょう。
SKU単位でコードを設定・管理していれば、該当商品のコードと数量を入力するだけで発注処理ができます。受注の場合も同様に、SKUごとの管理を徹底することで生産計画や出荷計画に反映しやすくなります。
多品目の取り扱いが可能になる
SKUごとに商品を管理することで在庫量・販売量を細かく把握できるため、多品目の取り扱いが可能となります。同一商品のなかで内容量や色、香りなどが異なる場合でも、SKU単位で適宜状況を確認できるため、管理上の混乱を防げます。
生活者のニーズが多様化する現代では、多くのマーケットで幅広いラインナップの提供が求められるでしょう。SKUによる商品管理を徹底していれば、在庫量を適正に保ちながら多品目の取扱いができるため、細かなニーズにもしっかり答えることが可能となります。
また、インターネットショッピングが普及しているなか、実店舗とECの在庫をどう調整するかも課題の1つです。SKUによる管理を導入しなければ、現場が混乱することは必至といえるでしょう。
関連記事:「EC事業を徹底解説!市場規模やEC事業を始めるメリットとは?」
運用ノウハウが求められる
SKUによる商品管理には、一定の運用ノウハウが求められます。どのようにSKUを分けるか、どのような法則でコードを設定するかといったルールが明確でなければ、かえって混乱することになりかねません。
例えばSKUの管理不足によってコードが重複してしまった場合、いずれかの商品が欠品や過剰在庫につながる恐れがあります。SKUを用いて管理していることが逆効果になってしまうでしょう。SKUによって受発注や在庫コントロールの精度を高めるには、運用ノウハウの蓄積が必要です。
管理コストがかかる
SKUは社内管理用に独自に設けるコードであるため、管理コストがかかります。在庫管理システムへの反映だけでなく、それらを運用する人材の育成も必要です。コードの重複や不適切なコードの発行といったトラブルを回避するためには、システム上での制御も求められるでしょう。商品数が少ない場合は人手で管理し、取扱い品目が増えたタイミングでSKUによる管理の導入を検討するのも1つの手です。
SKU設定のポイント
SKU設定においては、まずコードの重複は絶対に避けなければなりません。異なる品目に同じSKUが設定されてしまえば、在庫や出荷のデータと実績に乖離が生じ、社内だけでなく取引先や販売先に迷惑をかける可能性もあります。具体的な設定のルールとしては、以下のようなポイントが考えられます。
・桁数を一定に揃える
・先頭に0はつけない
・大文字と小文字はどちらかに統一する
先頭に「0」があると、エクセルに入力した際に表示されない可能性があります。また、大文字と小文字が混在していると入力ミスの可能性が高まるでしょう。ヒューマンエラーやシステム上の不具合を想定したうえで、リスクを抑えるためのルールづくりが求められます。
最後に
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