- この記事でわかること
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- マーケティングカレンダー作成時のに発生する課題
- 計測可能なKPIを設計する重要性
- マーケティングカレンダー作成手順
- マーケティングカレンダーの活用事例
読了目安:6分
顧客中心マーケティングの必要性が高まる中、消費者の購買行動や市場状況を踏まえたマーケティングカレンダーの作成ができていますか? 今回は、消費者のニーズを理解し、ブランド価値を最大限伝えていくために必要不可欠なマーケティングカレンダーの作成方法を紹介していきます。
マーケティングカレンダー作成時の課題
マーケティングカレンダーの作成時や年間計画を立てるときに、以下のようなことが起きていませんか?
- いつどこで何を行うかを記しただけの販売、販促計画に留まっている
- 過去のマーケティングカレンダーを踏襲し続けていて、今の市場や競合状況を踏まえられていない
- 施策ごとに計画が分断されており、線でのつながりがない
上記の状態が続くと、消費者が抱えるニーズや悩みに対して応えるコミュニケーションが図れず、本来届けたいブランド体験を提供することが難しくなります。
このような状況を回避し、消費者にブランドの価値を最大限届けるために基盤となるマーケティングカレンダーの活用ポイントを紹介します。
マーケティングカレンダー導入で重要な考え方
まずマーケティングカレンダーを作成、導入をするときに重要なのが、計測可能なKPIを設計することです。作成時の予測だけでなく、施策後の実態を計測し、定期的にカレンダーの内容をチューニングすることで顧客が求めていることやタイミングが明確になり、最適なコミュニケーションにつながります。
作成して終わりではなく、計測環境を整えた上で導入、そして運用することが肝となります。※KPIの設計方法に関しては、こちらの記事からご確認ください。
ここからは、実際にマーケティングカレンダーの作成方法をステップに分けて説明していきます。
マーケティングカレンダー作成手順
マーケティングカレンダーは以下の7つのステップで作成することができます。
【 step1:消費者行動を把握する】
消費者行動を理解、把握するために以下の項目を分析から明らかにします。
これらの項目が明らかになることで、消費者の行動を踏まえた上で”ブランドが注力すべき時期” が明確となります。
【step2:市場状況を把握する】
世の中の動向とイベント(例:新生活、ボーナス、クリスマス、など)を把握し【Step1】で分析した需要のある時期、売上の変動、検索ボリュームが高まる時期に対して、世情が及ぼす販売促進への影響を反映させる。
【step3:競合状況を把握する】
国内の購買データや競合他社の施策や新商品に関する情報から、自社と競合の状況を比較する。競合が行っている施策内容や新商品が発売される時期など、「どの場所で」「どの商品を」「どのような販促活動で」をという観点で比較し、自社ブランドの優位性や注力するべき時期、販売場所を導きだしていく。
【step4:需要期を導き出す】
Step1~3の分析結果から、自社ブランドが注力する時期と販売場所を決定し、想定需要期を導き出す。
また企業内で確定しているKPIも加味した上で、カレンダーに反映していく。
【step5:施策のテーマの決定】
世間的なイベント、消費者のニーズや購買行動を踏まえ、施策のテーマを決定する。
【step6:社内と連携する】
商品発売のタイミング、施策のタイミングやテーマを社内に共有し、対象の部署と連携する。
(例)「この時期に◯◯のプロモーションを行うので、製品Aの在庫を✗✗個確保してください」など
作成方法をご理解いただいたところで、実際のプロジェクトでマーケティングカレンダーを導入した事例をご紹介します。
マーケティングカレンダーの活用事例
実際のプロジェクトでマーケティングカレンダーを作成し、運用した事例を紹介します。
我々が担当したA社は同一ブランドで多数の商品ラインナップが存在する中で商品ごとのコミュニケーションが分断されていて、ブランドメッセージの統一化、また施策の再現性がとれていないという課題をお持ちでした。このままの状態だと、生活者が感じるブランドの印象が異なり、一貫したブランド価値を届けていくことが難しいと考え、弊社が以下4つの提案をしました。
- 生活者のニーズを軸にしたSTP設計(STPに関する記事はこちらから)
- 年間のマーケティングカレンダーの作成
- ターゲットのニーズに基づいたコンテンツ開発
- ターゲットへ効果的にリーチさせるためのタッチポイント設計
これらの提案から実行までを担当し、ブランドの認知度向上、売上の向上へと繋がりました。
またマーケティングカレンダーを導入し、企業が目標としているKPI、そして売上の推移、市場や競合状況、消費者行動を把握した上で方向性を決め、活用した結果、以下の3つのことが実現できました。
- 予測に対して、実売上を振り返ることで、更に消費者や市場の状況に沿った戦略立案に反映できた
- 商戦ごとのメディア予算をカレンダーに沿って行い、次回施策の計画に反映することで、目標達成につながった
- 全ステークホルダー(マーケティング部、他部署、代理店など)がマーケティングカレンダーを軸に実行したことで、在庫や店舗の状況と連動したマーケティング活動ができた
マーケティングカレンダーを活用することで、施策を行うタイミングや市場、競合の動向が可視化されるのはもちろん、カレンダーを軸に成果を振り返ることで年間のデータが溜まり、次年度にはさらに再現性の高い戦略立案、施策を行うことができることが最大のメリットです。
最後に
マーケティングカレンダーの作成時には、消費者の購買行動データやインサイトデータ、市場や競合に関する情報を分析し、カレンダーに反映していくことが必要です。また施策を実行した後も結果を分析し、カレンダーをアップデートしていくことで、顧客のニーズをいち早く読み取り、顧客に対して、ブランドの価値を最大限伝えていくことが可能なスキームが完成します。
まずは各種必要なデータを収集し、分析するところから始め、マーケティングカレンダー作成し、実際のマーケティング活動に導入をしてみてください。導入時、または導入後の活用方法やデータの反映の仕方でお困りのことがありましたら、お問い合わせください。
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