
DXを推進するうえでは、基本フローを理解したうえで適切なゴール設定を行うことが大切です。本記事では、DXの基本フローである5ステップとゴールの考え方を解説します。これからDXに本格的に取り組もうと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
- この記事でわかること
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- DXで目指すべきもの
- DXの推進で必要となる取り組み
- DX推進の基本フロー
読了目安:7分
DXを推進するためには、基本フローを理解したうえで適切なゴール設定を行うことが大切です。プロジェクト推進の流れやゴールがわかっていないままでは、組織全体の足並みを揃えて取り組むのが困難になります。本記事では、DXの基本フローである5ステップとゴールの考え方を解説します。これからDXに本格的に取り組もうと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
DXで目指すべきものとは
DXを推進する際には、以下3つのプロセスを理解しておくことが大切です。
- デジタイゼーション
- デジタライゼーション
- デジタルトランスフォーメーション(DX)
それぞれどのような取り組みなのか、順番に詳しく解説します。
デジタイゼーション
デジタイゼーションとは、ITツールを導入して業務の一部をデジタル化することです。これまで紙でやりとりしていたものを電子データに切り替えたり、手作業で行っていた業務をシステムで自動化したりする取り組みがデジタイゼーションに該当します。具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 紙の申請書にハンコを押して承認していたものを、電子承認システムに切り替える
- 紙の請求書を印刷・郵送するのをやめ、PDFデータをメールに添付して送付する
- 出張の一部をWeb会議に切り替える
デジタライゼーション
デジタライゼーションとは、業務プロセス全体のデジタル化を図ることです。デジタイゼーションが自社業務の一部をデジタル化する取り組みであるのに対して、デジタライゼーションは業務全体、場合によっては取引先など外部も巻き込んだデジタル化を行います。具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- これまで実店舗だけで商品を販売していたが、ECサイトでの販売も開始する
- 発注データや請求データを取引先のシステムと連携し、発注や請求の業務を効率化する
- 経費処理やメルマガの配信など手作業で行っていた業務をRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で自動化する
デジタルトランスフォーメーション(DX)
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、デジタル技術を活用して業務プロセスを改善するだけでなく、ビジネスモデルそのものに変革をもたらす取り組みのことです。デジタイゼーションやデジタライゼーションが既存業務をベースとしているのに対し、デジタルトランスフォーメーションはビジネスそのものの大きな見直しを目的としています。具体例としては、以下のようなものが挙げられます。
- DVDのレンタル事業から動画配信サービスの提供へビジネスモデルを変革する
- 紙のチケットからデジタルチケットに切り替え、Web予約や混雑状況の把握など顧客利便性を向上させる
- AIによるリアルタイムでの監視や製造管理、データ分析などを行うスマートファクトリーを実現する
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DXの基本フローを5ステップで解説
DXの推進では、以下5つのステップで進めるのが基本フローとなります。
- ゴールを設定する
- 現状を把握する
- 方針を策定する
- デジタル化を推進する
- データドリブン経営を実践する
それぞれのステップで取り組む内容について、詳しく見ていきましょう。
ゴールを設定する
まず、デジタル技術を活用してどのようなことを実現したいのかゴールを設定します。デジタイゼーションやデジタライゼーションを経て、最終的にデジタルトランスフォーメーションにつながるような目標を設定しましょう。このとき、ITツールなどの導入自体が目的とならないよう注意が必要です。目的はデジタル技術によって業務を改革することであるため、「業務効率を上げて残業時間を◯%削減する」「手作業の業務を現在の半分以下にする」など、実現したい将来像から考えてみてください。
関連記事:「企業がDXを推進する目的とは? 具体的な実践事例も解説」
現状を把握する
ゴールを設定したら、具体的な施策に取り掛かる前にまず現状を把握することが大切です。ゴールと現状のギャップを明確にすることで、具体的に解消すべき課題が見えてきます。目標達成に向けてボトルネックとなっているポイントを洗い出しましょう。現場で実際に業務を担当している社員にしかわからないこともあるため、現状把握に取り組む際は担当者へのヒアリングやアンケートなど現場の声を聞く姿勢が求められます。
方針を策定する
現状把握によって解決すべき課題を明らかにしたら、具体的な方針の策定を進めます。どのようなシステムやツールを活用して課題を解消し、デジタルトランスフォーメーションを実現していくのか検討しましょう。解決すべき課題が複数ある場合や、予算や人手が限られている場合には、施策の優先順位も決めなければなりません。最終目標の達成を意識しながら、取り組みの内容や順番を決めていく必要があります。
デジタル化を推進する
いきなりデジタルトランスフォーメーションを実現するのは難しいため、システムやツールを導入してデジタイゼーションやデジタライゼーションから取り組みを始めるのが一般的です。業務の一部からデジタル化を始め、徐々に範囲を拡大していきましょう。急激な変化は現場への負担が大きくなり、業務に支障が出るおそれがあります。実際にシステムやツールを使うのは現場の担当者であるため、事前に目的を丁寧に説明したりサポート体制を構築したりすることも大切です。
データドリブン経営を実践する
データドリブン経営とは、さまざまなデータの分析結果をもとに、課題解決や経営の意思決定などを行うことです。多様化する生活者のニーズや購買意向に対応するためには、データ分析による現状把握や予測が欠かせません。システムやツールを導入するとビジネスに関する膨大な情報がデータとして蓄積されるため、データドリブン経営への足がかりになります。DXプロジェクトの推進で得られた各種データをもとに、ビジネスモデルの変革を目指しましょう。
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最後に
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