中小企業がDX推進に取り組む際は、他社の成功事例を参考にするとよいでしょう。本記事では、中小企業のDX成功事例を7つご紹介します。DXに成功する中小企業の特徴と合わせて、これからDX推進に取り組む方は参考にしてみてください。
- この記事でわかること
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- 中小企業によるDXの成功事例
- DXに成功する中小企業の特徴
- 中小企業のDX推進で注意すべきこと
読了目安:8分
これからDX推進に取り組む企業にとって、他社の成功事例は大いに参考になります。また、DXを思うように推進できていない企業も、成功事例から学べることが多くあるでしょう。本記事では、中小企業のDX成功事例をご紹介します。DXに成功する中小企業の特徴と合わせて、これからDX推進に取り組む方はぜひ参考にしてみてください。
中小企業によるDX成功事例7選
ここでは、中小企業による7つのDX成功事例を見ていきましょう。小売業やメーカー、ECサイト運営などさまざまな業種の事例をご紹介します。DXとは、ツールやシステムなどデジタル技術の活用を通じて業務の効率化を図るとともに、ビジネスモデルに変革をもたらす取り組みのことです。DXに成功した企業がどのような観点でビジネスモデルを変革したのか、ぜひチェックしてみてください。
参考:経済産業省「DX Selection 2022」、東京商工会議所「中小企業のデジタル活用・DX事例集」
実店舗からEC販売へのシフト
生地織物やオリジナルの衣装を販売している株式会社奥山では、もともと実店舗中心の販売形態だったところ、2015年からECサイト運営に注力し始めました。ECサイトが好調だったため、2020年からのコロナ禍で実店舗の売上が激減した際にも、ECサイトの売上でカバーできています。同社のECサイトが軌道に乗った要因の一つは、インターネット上で口コミが広がったことです。オリジナルの衣装づくりにも対応していたことでコスプレイヤーからの依頼が増え、コスプレ関連の売上が伸びました。コスプレは世界的な人気があるため、今後は海外向けのECにも力を入れる予定となっています。
AIロボットによる検品工程の自動化
株式会社セイブは、電線とその支持物の間を絶縁する器具を製造・販売しています。同社は基幹システムと製造設備をネットワークで接続するスマートファクトリー化を目指し、経営者自らが率先してDX推進に取り組みました。具体的な施策として、AIロボットを活用した検品工程の自動化や、IoTとクラウドを用いたデータドリブンな品質管理などに取り組んでいます。
業務支援クラウドによる効率化
ドイツ製家庭用品の輸入雑貨を取り扱う株式会社山秀は、「少人数で大きな仕事を手掛ける会社に育てるにはITが不可欠」という思いでDXの推進に取り組みました。大きな取り組みの一つが、業務システムの構築です。同社は確立された業務システムがなく、業務の属人化が課題でした。そこで、複雑な輸入関連の業務をスムーズに行うために営業管理や顧客管理が可能なクラウド型の業務支援ソフトを導入し、業務の効率化や標準化を実現しています。
インフルエンサーを活用した若者層への訴求
老舗バッグメーカーの株式会社ヤマト屋は、若者層への訴求のためにSNSの活用を始めました。ターゲット層と同世代の女性モデル6人と契約し、自社のSNSアカウントで商品を使用している写真を毎日アップしています。モデルが撮影した写真はクラウド環境に保存し、出張先でもタブレット端末からすぐに確認できるようになっています。ユーザー層が異なるFacebookやTwitterにも活用することで、幅広い層に効率的にアプローチできるようになりました。
クラウド型顧客データベースの構築
株式会社藤ダイレクトは、印刷物などの企画から印刷、発送までワンストップで対応している企業です。同社の社長はアメリカ小売業の視察やDX勉強会への参加によってDXの重要性を実感し、業務効率化のためにさまざまなITツールの活用を始めました。例えば顧客管理には、クラウド型の名刺情報管理ツールを採用しています。これにより、顧客データベースの効率的な構築と個人情報の保管リスクの低減が可能となりました。そのほか、会計ソフトや勤怠管理、グループウェアなど多くのクラウドサービスを活用しています。
システムによる原価・工程・在庫の見える化
国内の電力会社や大手重電メーカー向けの配電盤を生産している株式会社日東電機製作所では、1990年代から独自の経営管理システムを自社開発していました。このシステムによって、原価・工程・在庫の見える化や加工作業の半自動化などを実現しています。取り組みを進めるうえで社長が中心となるチームを作り、現場の課題の洗い出しやデジタル技術を活用した解決策の立案を実施しました。また、工程のロボット化や業務用アプリの開発は自社の社員が担っており、デジタル人材の育成にも力を入れています。
リアル店舗とECのハイブリッド型販売
Bushizo株式会社では、全国のメーカーから剣道用品を直接仕入れてECサイトと実店舗で販売しています。ECサイトは、各メーカーの商品の比較が手軽に行えるとユーザーから好評です。渋谷・仙台・千葉・名古屋にある実店舗では実際の商品を展示しており、渋谷店に常駐している剣道経験のあるスタッフにオンラインで相談しながら商品を選べるようになっています。同社は、動画コンテンツを中心としたメディア事業にも力を入れています。オリジナルの剣道動画が見放題の有料サービスやSNSへの広告掲載、保護者を対象とした剣道の試合のライブ配信などにより、メディア事業の売上も好調です。
DXに成功する中小企業の特徴
本記事でご紹介したようなDXに成功する中小企業には、以下の特徴があります。
- 経営層が主体的に推進している
- 必要なリソースを確保している
- 専門家のサポートを受けている
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
経営層が主体的に推進している
DXはデジタル技術を用いて業務を改革する取り組みであるため、現場は業務の進め方や使用するツールの変化に対応する必要があります。日々の業務をこなしながらDXを進めるのは負担が大きく、時には現場からの抵抗があるかもしれません。現場に任せっきりではスピード感のあるDX推進が見込めないため、経営層が主体となってプロジェクトを推進する必要があります。
必要なリソースを確保している
新たなシステムの開発やクラウドサービスの導入には費用がかかり、DXの推進に取り組む担当者も必要です。これらのリソースが確保できていなければ、DXは思うように進みません。まずは自社がDX推進に取り組む目的を明確にしたうえで、必要となる予算や人材を確保することが大切です。
関連記事:「DX推進の必要性と求められるスキル デジタル人材を育成・確保する方法も解説」
専門家のサポートを受けている
中小企業のDX推進は経営層が主体となって現場を巻き込みながら進める必要がありますが、社内の知見だけを頼りにすると視野が狭くなってしまいがちな点に注意が必要です。コンサルタントなどDXに詳しい専門家のサポートを受けながら、プロジェクトの推進に取り組むとよいでしょう。専門家は成功例に加えてよくある失敗例も把握しているため、中小企業のDX推進で陥りがちな失敗を回避しながら効率的に取り組みを進められるというメリットもあります。
関連記事:「DX推進に向けた課題とは よくある失敗や解決方法を解説」
最後に
マーケティングの戦略立案〜実行支援まで一気通貫で行うVENECTでは、マーケティング業務におけるDX推進の支援もおこなっています。業務効率化においてDX対応も欠かせません。 以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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