DX推進に取り組む企業は増えていますが、課題に直面して行き詰まるケースが少なくありません。多くの企業がDX推進で直面する課題やよくある失敗、課題の解決方法を詳しく解説します。
- この記事でわかること
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- DX推進で多くの企業が直面する課題
- DX推進のよくある失敗例とその原因
- DXを成功に導くためのポイント
読了目安:7分
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、企業が競争力を維持・向上させるうえで不可欠な取り組みとなっています。しかし、多くの企業はDX推進の過程でさまざまな課題に直面します。IT人材や社内リソースの不足、ビジョンの不明確さなどによって、想定通りに進まないケースが少なくありません。本記事では、DX推進における主な課題やよくある失敗、課題の解決方法を詳しく解説します。
DX推進に向けた課題
DXは、デジタル技術を活用して業務プロセスやビジネスモデルを変革し、企業としての競争力を高める取り組みです。しかし、DXを推進するにあたっては多くの課題があります。ここでは、以下3つの課題について見ていきましょう。
- IT人材の不足
- 社内リソースの不足
- ビジョンの不明確さ
IT人材の不足
DX推進には、システム・ツールの導入やデータの活用を得意とする優れたIT人材が必要です。しかし、多くの企業はIT領域に知見がある人材の確保に苦戦しているのが現状です。ただでさえ少子高齢化によって人手不足が深刻化しているなか、技術の進歩に伴ってIT人材のニーズは高まっており、獲得競争が激化しています。DXを推進しようとしても、社内に十分な人材が揃っておらず、計画通りに導入や改革が進まないというケースは少なくありません。
社内リソースの不足
人手不足が深刻化するなか、多くの企業では新たな業務にリソースを割くのが難しい状況にあります。DXを推進しようとしても、十分な人的リソースを確保できない状況では、システムの刷新やツールの導入はスムーズに進みません。
また、人的リソースだけでなく資金的なリソースの不足に直面するケースもあります。既存システムの保守・運用費の高騰などにより、DXに割く予算が限られてしまうのです。ヒトやカネといったリソースが十分に確保できていない状況では、DXのプロジェクトが停滞する可能性は高いといえます。例えば、外部の企業・人材にDXプロジェクトに参画してもらい、既存社員の負担を抑えながら取り組みを推進するといった工夫が求められます。
ビジョンの不明確さ
DXを推進するためには、経営層による明確なビジョンの発信が不可欠です。しかし、トレンドに乗ってDX推進を掲げたものの、具体的なゴールが定まっていないケースは少なくありません。短期的な業務の効率化を重視するのか、将来的なデータの有効活用を重視するのかなど、判断基準が定まらない状態ではプロジェクトが迷走し、成果を上げるのが難しくなります。ビジョンが不明確な状態では、DX推進に対する社員のモチベーションも低下し、プロジェクトの進行が遅れる原因となります。
そのため、まず経営層が中心となって明確なビジョンを定め、社内に発信することが大切です。例えば、DXをテーマに全社員を対象としたワークショップを開催するなど、社員の意識を高める取り組みも必要になるでしょう。
関連記事:「DXとは 実現に向けて企業が抱える課題や必要なステップを解説」
DX推進でよくある失敗
DX推進の過程で、企業が直面する失敗としては以下のようなものが挙げられます。
- システムやツールの導入が目的化してしまう
- 継続的な効果が出ない
順番に見ていきましょう。
システムやツールの導入が目的化してしまう
DXを推進するにあたって、多くの企業ではシステムやツールの導入・刷新自体が目的となってしまいがちです。しかし、DXの本来の目的は業務の効率化やビジネスチャンスの拡大であり、手段が目的化してしまっては期待した成果は出ないでしょう。例えば、最新のERPシステムを導入しても、それに合わせて業務プロセスを見直さなければ、導入コストがかかっただけで業務効率はあまり変わらないという結果になる可能性があります。DXの目的を明確にし、その目的に沿った施策を実施することが大切です。
関連記事:「企業がDXを推進する目的とは?具体的な実践事例も解説」
継続的な効果が出ない
DX推進により一時的に業務効率化などのメリットが出たものの、新たに取得できるようになったデータをどう活用するかなど、長期的な視点が欠けているというケースです。継続的な効果が出なければ、企業としての競争力強化にはつながりにくくなります。例えば、データ分析ツールを導入したものの、データが蓄積される一方で分析や共有が進まず、有効活用されないという失敗はよくあります。継続的な効果を得るためには、長期的な視点でどのような効果を引き出すのか事前に明確にしておき、具体的なアクションに落とし込んでいくことが大切です。
DX推進における課題の解決方法
DX推進の課題を解決するためには、以下3つのポイントを押さえて取り組むことが重要です。
- DXの目的を明確にする
- 組織体制を整備する
- DX推進の文化を醸成する
DXの目的を明確にする
DXを推進するにあたり、まず何のためにDXを行うのか、目的を明確にすることが大切です。プロジェクトの方向性がブレることなく一貫した取り組みとすることで、関係者全員が共通の目標に向かってモチベーション高く取り組めるでしょう。例えば、「業務の効率化」を最優先課題と決めれば、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入など設備投資の検討・判断もしやすくなるはずです。経営層と現場社員のベクトルを合わせたうえでDXを推進するためには、まず目的を明確にし、経営層から社内に向けて発信することが大切です。
組織体制を整備する
DXの取り組みは多くの企業にとって新たな取り組みとなるため、組織体制の整備が必要になるでしょう。既存社員の育成や外部人材の活用、さらにはDXを得意とする外部企業によるコンサルティングなど、多角的なアプローチが求められます。企業としてDX推進の体制を整えることが、プロジェクト成功の最低条件だといえます。DXの専門チームを設置し、プロジェクトの進行管理や社員のスキルアップを図れば、スムーズにDXを推進できるでしょう。また、外部のスペシャリストを招いて知見を取り入れ、プロジェクト全体のブラッシュアップを図るのも有効です。
DX推進の文化を醸成する
DXを成功させるためには、企業全体での取り組みが不可欠です。既存の業務プロセスやシステムにとらわれず、ゼロベースで業務プロセスやビジネスモデルを見直す姿勢が求められます。そのためには、DX推進の文化を社内に根付かせ、業務を実際に行う社員が積極的にプロジェクトに参加する状態にしていく必要があります。経営層が主体的にメッセージを発信するのはもちろん、社員のアイデアを積極的に取り入れて改革の成功例を作るなど、社員のモチベーションや意識が向上するような仕組みを取り入れるのがよいでしょう。
最後に
マーケティングの戦略立案〜実行支援まで一気通貫で行うVENECTでは、マーケティング業務におけるDX推進の支援もおこなっています。業務効率化においてDX対応も欠かせません。 以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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