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サプライチェーンの改善はなぜ重要?
メリットと具体的な進め方を解説

この記事でわかること
  • サプライチェーンの概要
  • サプライチェーンが注目されている理由
  • サプライチェーンマネジメントがもたらす3つのメリット
  • サプライチェーンマネジメントの進め方

読了目安:7分

人件費の上昇や人手不足によって、企業には仕入れから販売までのプロセス全体を通じた効率化が求められています。そこで注目されているのが、サプライチェーンマネジメントです。本記事では、サプライチェーンの概要やサプライチェーンマネジメントに取り組むメリット、具体的な進め方を解説します。商品の流通・販売工程に課題を感じているという企業担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

サプライチェーンとは

サプライチェーンとは、原材料や部品の調達から製造、流通、販売まで、消費者に商品を届けるための工程全体を指す言葉です。例えば、コンビニで売られているパンであれば、製造に必要な小麦粉やパッケージの調達に始まり、工場での生産、物流業者による輸送、コンビニ店舗での販売といった流れになります。
これらのサプライチェーン全体が最適化されるようマネジメントすることで、各工程におけるムダが排除され、タイムリーかつ適切な量の供給が可能となるのです。しかし、サプライチェーンマネジメントの実現は簡単ではありません。社内の各部門はもちろん、原材料・部品の供給業者や物流業者、小売業者など取引先を巻き込んで全体最適を実現する必要があるからです。現場の状況を即座に共有し、各企業・各部門が柔軟に対応するための仕組みが求められます。

サプライチェーンマネジメントが注目されている背景

サプライチェーンマネジメントが近年注目されている背景としては、主に以下の3点が挙げられます。

  • IT技術の進化
  • 調達機能のグローバル化
  • 人件費の上昇、人手不足

IT技術の進化により、企業間・部門間のスピーディーな情報共有が可能になりました。最新のマーケット動向を把握したうえで供給量をコントロールできれば、過剰な生産や欠品による販売機会の損失を回避できます。IT技術を駆使してサプライチェーンをマネジメントできるかが、自社および取引先の収益を大きく左右するといえるでしょう。また調達機能のグローバル化に伴い、サプライチェーン全体が複雑化していることも要因として挙げられます。輸出入によってリードタイムが長引くため、より計画的な生産・供給体制の構築が求められるのです。

さらに、日本経済全体における人件費の上昇や人手不足も、サプライチェーンマネジメントの重要性が高まっている要因です。特に、物流業界では「2024年問題」への対策が急務となっています。2024年問題は、2024年4月から自動車運転業務における時間外労働の上限が960時間に制限されることに起因します。規制によってトラック運転手の収入や物流業者の売上は減少する可能性が高いため、運転手の不足やコストの上昇に拍車がかかると予想されているのです。これら3つの背景を踏まえ、供給の仕組みを最適化するためのサプライチェーンマネジメントに注目が集まっているのです。

サプライチェーンマネジメントがもたらすメリット

サプライチェーンマネジメントに取り組むメリットとしては、以下の3点が挙げられます。

  • 業務プロセスの最適化
  • コストの削減
  • 売上の最大化

順番に見ていきましょう。

業務プロセスの最適化

サプライチェーンマネジメントに取り組むことで、自社の各部門はもちろん取引先を含めた業務プロセスの最適化が図れます。サプライチェーン上の各工程でそれぞれが業務を最適化しても、全体で見れば非効率になっているケースは少なくありません。仕入先や販売先を含めた全体最適を実現することで、徹底的にムダを排除できます。

コストの削減

サプライチェーン全体が連動することで、過剰在庫の発生や緊急対応によるコストの増加を防げます。マーケットの需要が落ち込んでいても、その情報がサプライチェーンの関連企業に即座に共有されなければ、従来の計画通りに生産や流通が進んでしまいます。その結果、過剰在庫が発生することで廃棄や値引を余儀なくされ、各企業の利益を圧迫する可能性が高くなるのです。サプライチェーンマネジメントに取り組むことでタイムリーな供給量のコントロールが可能となり、コスト削減につながります。

売上の最大化

マーケットのニーズに合わせて各企業・各部門が最適な在庫量を保つことで、販売機会の損失が少なくなります。トレンドによって売上が伸びていたとしても、サプライチェーン全体への情報共有が遅れれば、追加生産が間に合わずに欠品が発生し、貴重な販売機会を失うことになるでしょう。サプライチェーンマネジメントを行うことで、需要の変化に即座に対応できるようになり、売上の最大化を実現できます。

サプライチェーンマネジメントの進め方

サプライチェーンマネジメントを進めるうえでは、以下3つのステップが重要です。

  • 現状の整理
  • 課題の特定
  • 仕組みによる解決

こちらも順番に見ていきましょう。

現状の整理

まずはサプライチェーン全体の現状を把握することが大切です。仕入から販売に至るまで、かかわるすべての取引先や社内部署を洗い出し、流れを整理します。各工程にかかるリードタイムを計算することで、供給上のボトルネックがどこにあるか把握することが大切です。

課題の特定

サプライチェーンの現状を踏まえて非効率な部分を特定し、解決すべき課題を明確にします。過剰在庫の発生や欠品による販売機会の損失が続いているなら、どのタイミングでどのように情報を共有すれば最適化が図れるのか、社内の各部署はもちろん取引先を含めて協議します。

仕組みによる解決

サプライチェーン上の課題を特定したら、組織構造の見直しやシステムの導入など仕組みによる解決を図ります。情報共有の頻度・精度を上げるため、最適な仕組みを構築しましょう。そのうえで、各企業・各部門が課題を共有し合い、改善し続けることが大切です。サプライチェーン最適化の1つの手段として、近年ではオンラインで注文したものを店舗で受け取る「BOPIS(Buy Online Pickup In Storeの略)」が注目されています。BOPISの導入は、接客業務の効率化や自宅配送と比較した場合の物流費削減につながるため、サプライチェーン上のボトルネック解消に役立ちます。

関連記事:「店舗商品の新しい購入方法!消費者のニーズに答えるBOPISとは?

最後に

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