- この記事でわかること
-
- ECとは何か
- 自社のECサイトとモール型ECサイトそれぞれのメリット・デメリット
- ECサイトを開設する方法
読了目安:8分
日本におけるEC市場は年々増加し、経済産業省の「令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によれば、2021年度は20.7兆円で前年比7.35%増の伸びを示しました。今後の売上成長を実現する手段としてEC運営に乗り出す企業や店舗は増加の一途をたどっています。ECサイトの展開を検討している場合、いざ開発を始めたくてもどのような準備が必要か、どのような手順を踏んだらよいかを理解することが大切です。これらが不明瞭なまま進行してもスムーズにいかず、時間を無駄にしてビジネスチャンスを逃す恐れがあります。
本記事ではそもそもECとは何かという点も含め、ECの開設方法、さらに独自のECサイト構築で使用される4種類の開発方法の概要を解説します。それぞれのメリットやデメリットも含めて、ぜひ参考にしてください。
ECとは?
ECとはElectric Commerce、別名Eコマースの略語です。日本語では電子商取引と訳されます。ネットショッピングやネット通販などさまざまな名称で呼ばれていますが、インターネットを通じて商品やサービスを販売する取引全般を指す言葉です。
ECでは、企業や店舗は独自に自社のECサイトや楽天、Amazonなどのネットショッピングモールなどに商品やサービスの情報を掲載し、消費者は電子決済で自分が欲しいモノを購入します。
今はスマートフォンさえあれば好きな商品やサービスがものの数クリックで手に入ります。かつてECは通信販売を手がける企業が運営するイメージが強かったものの、現在では店舗販売を主体とする企業もEC事業に乗り出し、顧客との接点を増やしています。また、ECのジャンルも従来のBtoC(企業と消費者の取引)のみならずBtoB(企業同士の取引)、CtoC(消費者同士の取引)など多様化する一方です。
ECを始める主な方法
ECを始めるには、大枠として自社で独自にECサイトを開設する方法と、モール型ECサイトに出品する方法の2つがあります。それぞれの概要やメリット、デメリットを解説します。
自社のECサイトを開設する
自社で独自にECサイトを開発して商品やサービスを販売する方法です。自社単独でEC用のサーバーを用意し、独自のドメインを取得して、専用のECサイトを構築して運営します。
自社でECサイトを開設する場合の最大のメリットは、独自色を出してブランディングがしやすい点です。デザインやレイアウトなどを思いのままに設定したり、購入の流れを簡素にして使い勝手をよくしたりといったカスタマイズが可能です。開発自体も、ECサイト構築に必要な基本機能が一通りそろった「ECパッケージ」や、ECプラットフォームをレンタルする「ASP」などを利用すれば、さほど時間をかけずに独自のECサイトを構築できます。
自社ECのデメリットは、集客に手間がかかる点です。元々知名度の高いブランドであっても、ECサイトを開設したら、オンライン広告で初回雨量キャンペーンを展開するなど、何らかの仕組みを利用して消費者を誘導し、購入を促す必要があります。また、EC構築に利用する手法によっては莫大な開発コストもかかります。
モール型ECサイトに出品する
もう1つの方法が、モール型ECサイトへの出品です。別名サイバーモールなどとも呼ばれ、様々なネットショップが単一のドメインの下に集まって営業しているサイトを指します。代表的なサービスには楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなどがあります。
モール型ECサイトの場合、ECサイトに必要な機能が一通りそろった共通プラットフォームを利用できるので、さほど時間をかけずにショップを構築し、費用も安く抑えられます。一方で、どのショップも同じフォーマットを利用しているため、独自性を出したショップ運営が難しいのがデメリットです。また、例えば「それまで送料無料だったのが、急に出品者側の送料負担になる」など、全体的な変更の影響を受けやすい点も無視できません。
ECサイトを開設する方法
ECサイトを開設する手法には、主にオープンソース型、ASP型、パッケージ型、フルスクラッチ型の4種類があります。それぞれの概要やメリット、デメリット、またどのようなユースケースに向いているかを解説します。
オープンソース型
オープンソースとは、インターネット上で企業や個人が無償でソースコードを開示しているソフトウェアを指します。商用利用も可能なので、オープンソースを利用してECサイトを構築できます。ライセンス費用の支払いが発生しないため開発コストを安く抑えられるうえに、独自にカスタマイズを施してオリジナリティの強いECサイトを構築できる自由度の高さも魅力です。
一方で、オープンソースの扱いにはECサイト構築やサーバー管理などの専門スキル・知識を持ったIT人材が必要です。社内にいない場合は外部から人員を確保する必要があります。また、ECサイトを運営中に何らかの不具合が起こった場合は自社で対処する必要があり、セキュリティの面でも他の方法よりも不安が残ります。
「独自のカラーを強く出したECサイトを構築したい」「魅力的なECサイトで他社との差別化を図りたい」などのニーズを抱える企業に適しています。
ASP型
ASPはApplication Service Providerの略語です。ECサイト構築専用のプラットフォームをインターネット上で活用して、ECサイトを構築する方法がASP型です。
ECサイト構築に必要な機能は、すべて最新の状態でクラウド経由でレンタルして調達可能なうえに、専門知識やスキルがなくてもECを構築でききるため、初期費用を安く抑えられるのが大きなメリットです。不明点があればプロバイダーに質問できるなど、手厚いサポートが受けられるのも心強い特徴です。ただし、デザインやカスタマイズの自由度はさほど高くはなく、機能や容量も制限されている点で、同じASPを利用する他社と似通ったECサイトが仕上がる可能性もあります。
できるだけ費用を安く抑えたい場合には適していますが、独自色を強く打ち出して差別化を図りたい企業や店舗には不向きです。
パッケージ型
パッケージ型とは、ECサイト運営に必要な機能がベンダーによって組み込まれたパッケージソフトを使って、ECサイトを構築する方法のことです。
ライセンス費用は発生するものの、カート機能や売上管理、受注管理、決済サービス、顧客管理など必要な機能が一通りそろっており、専門家の手でセキュリティ対策も施されています。かつ、デザインやカスタマイズの自由度が高く、独自色の強いECサイトを構築できます。他システムとの連携も可能です。ただし、パッケージ導入やサーバー、ネットワークなどのインフラへの投資により、他の方法よりは費用がかさむ傾向があります。
十分な資金があり、オリジナリティの強いECサイトを構築してセキュリティもしっかり担保したい場合に最適です。
フルスクラッチ型
フルスクラッチ型は、既存のプログラムやパッケージソフトを利用せず、全くゼロの状態から新しくECサイトを構築する方法です。
希望の要件を好きなだけ盛り込んでシステムやデザインを組み、思いのままにECサイトを構築できるのが魅力です。開発途中の仕様変更などにも柔軟に対応できます。かなり規模の大きなECサイトを構築したい場合、ブランディングを強化するためにまったく独自のECサイトを完全オーダーメイドしたい場合などに向いています。
一方で、すべてを一から作り上げるため、長い開発期間と莫大なコストがかかるのがデメリットです。そのため、小規模なECサイトの構築には向いていません。
最後に
マーケティングの戦略立案〜実行支援まで一気通貫で行うVENECTでは、変化を続ける生活者の生活様式に合わせたマーケティング支援を行い、顧客体験を設計することが可能です。 以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
採用情報を
詳しく見る