- この記事でわかること
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- 売上・利益それぞれの意味
- 売上・利益の5種類の定義と経営上の意味
- 売上と利益はどちらを優先すべきか
- 売上・利益をともに伸ばす方法
読了目安:7分
企業経営において、売上と利益はもっとも重要な指標といえるでしょう。どちらも伸ばし続けられるのがベストですが、同時に伸ばすのは難しく、どちらを優先すべきか迫られる場面は少なくありません。本記事では、企業経営における売上・利益の考え方に加え、優先順位の付け方や同時に伸ばす方法を解説します。売上・利益の目標設定や管理方法に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
売上・利益とは
まず、売上・利益とはそもそも何なのか、それぞれの定義や企業経営において重要な理由を確認しておきましょう。
売上とは
売上とは、企業が事業活動を通して販売した金額のことです。まず売上が立たないことには企業にお金が入ってくることはないため、事業活動においてもっとも重要な指標の1つだといえます。事務所費用や人件費などの固定費をまかなうためには一定の売上が必要であり、経営を安定させるため常に維持・拡大させていくことが求められます。
利益とは
利益とは、売上から事業活動にかかった費用を差し引いて残った金額のことです。利益が出ていなければ、企業からはどんどんお金が出ていくこととなり、やがて倒産に追い込まれます。逆に利益が出ていれば、社内の資金繰りに余裕が生まれ、事業拡大に向けた新たな投資も可能となります。売上が下がったとしても利益が出ていれば企業は存続できるため、売上より重視される場面が少なくありません。
売上・利益の種類
ここでは、売上・利益の種類として以下の5つを紹介します。いずれも損益計算書に登場する、会計の専門用語です。
- 売上高
- 売上総利益(粗利)
- 営業利益
- 経常利益
- 当期純利益(純利益)
各用語の定義と経営上の意味を押さえておきましょう。
売上高
売上高は前述の売上と同義であり、企業が販売活動によって取引先や顧客から得た金額を指します。売上の増減によってその企業のマーケットシェアが拡大したかどうかも判断できるため、社内外にとって重要な指標だといえます。
売上総利益(粗利)
売上総利益は一般的に「粗利」と呼ばれるもので、売上から売上原価を差し引いて算出する利益のことです。商品を仕入れて販売する場合は、売上金額から仕入金額を差し引いて算出します。自社で製品を製造する場合は、製造にかかった原材料費や人件費を原価として差し引く形で算出します。売上総利益率が高ければ、売上高に占める原価の割合が低いということであり、利益の出やすいビジネスモデルだといえるでしょう。
営業利益
営業利益とは、売上総利益から販売費および一般管理費を差し引いて算出する利益です。販売費および一般管理費は本業にかかる費用であるため、営業活動がうまくいっているか、過年度と比較して成績はどうかといった企業の本業の経営状況がわかる指標だといえます。企業にとっての最終的な利益は後述の「当期純利益」ですが、本業の状況を分析するという観点では営業利益が重要な指標となります。
経常利益
経常利益は、営業利益に営業外の収益を加算、営業外の費用を減算して算出する利益です。金融機関に支払う利息など、本業以外の活動によるお金の動きを反映させます。
例えばメーカーの場合、製品を売った販売金額は本業の収益として営業利益の計算に含まれますが、設備投資のために借り入れた資金の利息は営業外費用として経常利益の計算に含まれます。本業以外の収益・費用を含め、会社全体として利益が出る体質になっているかどうかを判断できる指標だといえます。
当期純利益(純利益)
当期純利益は一般的に「純利益」と呼ばれるもので、1年間の事業活動の結果、最終的に企業に残る利益を指します。経常利益から、株式や土地の売却といった特別な事象によって発生した利益・損失を加算および減算し、さらに法人税等を差し引いて算出します。
つまり、1年間の事業活動によって得た収益の合計から、仕入代金や人件費などの本業にかかった費用、借入金の利息や振込手数料などの本業以外にかかった費用、さらに土地や株式の売却損といった特別な損失をすべて差し引いて計算されるのが当期純利益です。
売上と利益はどちらを優先すべき?
企業経営においては、「売上と利益のどちらを優先すべきか」という問題に直面する機会は少なくありません。結論からいえば、企業経営である以上は存続のために利益を残す必要があるため、利益の確保を優先すべきだといえます。ただし、事業やブランドの立ち上げ初期であれば、将来的な利益の創出を見越して赤字で継続することもありえます。一時的には赤字でも、その後長期にわたって黒字を生み出してくれるなら、トータルで見てプラスになるという判断です。
このように売上と利益の優先順位はケースバイケースですが、基本的にはどちらも伸ばすことが重要であり、バランスのとり方を考えるべきだといえるでしょう。例えば、事業を成長させる段階であれば、黒字は確保しつつも利益をできるだけ販売費に回し、売上拡大を優先させるといった判断が可能です。
売上・利益をともに伸ばす方法
売上・利益はどちらも重要な指標であるため、同時に伸ばしたいと考える方がほとんどでしょう。ここでは、売上・利益をともに伸ばす方法として以下2つのポイントを紹介します。
・成長市場を選ぶ
・ブランディングを強化する
それぞれ見ていきましょう。
成長市場を選ぶ
まず、市場自体が成長を続けているマーケットを選びましょう。成長市場を選ぶためには、「既存の手法にとらわれないこと」「市場を見極めるために適切なマーケティングリサーチを行うこと」の2点が重要です。
成長市場で先行者優位をとれれば、ターゲット層における認知度が高い状態となり、利益を生み出しやすくなるでしょう。逆に、市場規模の縮小が始まっているマーケットであれば、競合他社とのシェアの奪い合いに巻き込まれることとなり、値引き合戦によって利益を圧迫される可能性があります。
ブランディングを強化する
ブランディングを強化することで、過度な価格競争を避けつつ売上を拡大することが可能です。独自の価値によるブランディングができれば、競合商品と比べられることなく選ばれる「指名買い」が発生します。値引きや広告に頼ることなく売上を伸ばせれば、利益も同時に増えていくでしょう。価格競争を回避して顧客から選ばれるためには、ブランドの確立が欠かせません。まずは調査によって自社・競合他社の現在地を把握し、ブランディングを見直すことが最初のステップとなります。
VENECTではブランド認知度調査も行っていますので、ブランディングの強化によって売上・利益を伸ばしていきたいという方は、ページ下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
最後に
マーケティングの戦略立案〜実行支援まで一気通貫で行うVENECTでは、変化を続ける生活者の生活様式に合わせたマーケティング支援を行い、顧客体験を設計することが可能です。 以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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