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新規事業立案に役立つ「リーンキャンバス」とは
メリットと作り方を解説

新規事業の立案にあたり、リーンキャンバスというフレームワークを耳にした方は多いかもしれません。本記事では、新規事業の計画立案に役立つ「リーンキャンバス」について、概要やメリット、作り方を詳しく解説します。

この記事でわかること
  • 新規事業立案に役立つ「リーンキャンバス」とは
  • リーンキャンバスを用いるメリット
  • リーンキャンバスの作り方

読了目安:7分

新規事業の計画立案にあたり、リーンキャンバスというフレームワークを耳にした方は多いかもしれません。リーンキャンバスはビジネスモデルの整理や把握、共有に適したフレームワークであり、特に新規事業の計画立案において活用される機会が増えています。本記事では、新規事業の計画立案に役立つ「リーンキャンバス」について、概要やメリット、作り方を詳しく解説します。これから新規事業の計画を立てる方は、ぜひ参考にしてみてください。

新規事業立案に役立つ「リーンキャンバス」とは

「リーンキャンバス」は、起業家のアッシュ・マウリャ氏が著書「Running Lean ―実践リーンスタートアップ」の中で提唱した、ビジネスモデルを可視化するためのフレームワークです。以下9つの要素を1枚の表にまとめることで、ビジネスモデルの全体像を整理・把握・共有するのに適しているとされています。

  • 顧客セグメント
  • 課題
  • 独自の価値提案
  • ソリューション
  • チャネル
  • 収益の流れ
  • コスト構造
  • 主要指標
  • 圧倒的な優位性

新規事業立案にリーンキャンバスを用いるメリット

特に新規事業の計画立案において、リーンキャンバスの活用はメリットが大きいとされています。具体的には、以下のようなメリットが挙げられます。

  • 全体像が一目でわかる
  • リスクを漏れなく把握できる
  • 事業計画のブラッシュアップに役立つ

新規事業について関係者に説明する際、細かい資料を渡しても全体像を理解してもらうのは困難でしょう。リーンキャンバスなら、1枚の表で全体像を共有できます。またビジネスモデルの構築に必要な要素を網羅的に整理できるため、リスクの把握や計画のブラッシュアップも容易になります。特にスピード感が求められる新規事業の計画立案においては、短期間で作成でき、関係者とも共有しやすいリーンキャンバスを活用するメリットは大きいといえます。

リーンキャンバスの作り方を要素別に解説

ここでは、リーンキャンバスの作り方を以下9つの要素別に見ていきましょう。

  • 顧客セグメント
  • 課題
  • 独自の価値提案
  • ソリューション
  • チャネル
  • 収益の流れ
  • コスト構造
  • 主要指標
  • 圧倒的な優位性

それぞれの要素に書くべき内容を順番に解説します。

顧客セグメント

「顧客セグメント」の項目では、その事業で提供する商品・サービスのターゲットとなる顧客を定義します。年齢や居住地域、家庭環境などさまざまな面から、顧客の人物像を整理しましょう。特に、情報感度が高く、新しい商品・サービスを積極的に取り入れる「アーリーアダプター」と呼ばれる層を意識することが大切です。新規事業においては、アーリーアダプターをうまく取り込むことでビジネスが軌道に乗りやすくなります。

課題

「課題」の項目では、顧客セグメントで定義した自社のターゲット顧客が抱えている課題を定義します。既存の商品やサービスでは解決できていない課題を特定し、新規事業で提供する商品・サービスによる解決を目指しましょう。また、ターゲットとなる顧客が代替手段によって仕方なく課題を解決しているケースも大きなビジネスチャンスになり得ます。より便利、またはより安価な手段によって解決できるのであれば、自社の商品・サービスに乗り換えてもらえる可能性があります。

独自の価値提案

「独自の価値提案」の項目には、顧客の課題解決にあたって自社が提供できる独自の価値を記載します。これまでの商品・サービスにはない魅力としてどのようなものを提供できるのかを言語化しましょう。「顧客セグメント」で定義した自社の顧客層が抱える「課題」に対し、独自の価値によって解決を図ります。

ソリューション

「ソリューション」の項目には、新規事業で提供する独自の価値をどのように届けるのかを記載します。どのような商品・サービスであり、どのように利用してもらうのかといった概要を明記します。

チャネル

「チャネル」の項目には、商品・サービスを顧客に届けるための流通経路を記載します。小売業での販売やEC、訪問販売など、さまざまな流通経路があるなかで顧客とどのように接点を持ち、商品・サービスを届けるのか整理しましょう。

収益の流れ

「収益の流れ」の項目には、新規事業においてどのように収益を上げるのかを記載します。商品・サービスの価格を決め、1度の取引でどの程度の収益が見込めるのかを算出します。場合によっては、サブスクリプションや広告収入、手数料収入といった収益モデルになるケースもあるでしょう。

コスト構造

「コスト構造」の項目には、顧客にソリューションを提供するにあたってかかるコストを記載します。原材料費や人件費はもちろん、流通コストや広告宣伝費など、商品・サービスの提供にかかるコストを網羅的に洗い出しましょう。なお、システムや設備などの導入に伴い初期投資が必要な場合は、継続的にかかるコストとは分けて記載するのがポイントです。また、売上の増減にかかわらず発生する固定費と売上に連動する変動費も分けて管理し、安定的に収益を生み出せる構造にすることも大切です。

主要指標

「主要指標」の項目には、新規事業の進捗を把握するうえで重視する指標を記載します。新規顧客の獲得数やリピート率など、新規事業の目標に合わせて適切なKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定しましょう。主要指標を定義していなければ、人によって新規事業の良し悪しを判断するための軸がブレることとなります。社内の認識を一致させるためにも重要な項目だといえます。

圧倒的な優位性

「圧倒的な優位性」の項目には、その名の通り自社が競合他社に対して持つ優位性を記載します。簡単に真似できるような要素であれば、「圧倒的な優位」とはいえません。自社だからこそ提供可能な価値を見出し、圧倒的な優位性を持って事業を開始することで新規事業の成功確率が高まります。例えば、専門性の高い人材を多数抱えていることや、既存事業によって多くの潜在顧客とコンタクトできる状態であることなどは、圧倒的な優位性になり得るでしょう。

参考記事:「新規事業に失敗する原因5選|成功のコツとあわせて解説

最後に

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