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ターゲットの態度変容に沿った
ランディングページを設計する方法とは?

この記事でわかること
  • LPの役割
  • コミュニケーション戦略に基づいたLPの設計方法

読了目安:10分

ランディングページ(以下、LP)は、一般的なWebサイトと混同されがちですが、Webサイトが情報提供を目的としているのに対し、LPは行動を起こさせることが目的です。例えばブランドページは、数ページに渡ってブランドの世界観を伝えるようにイメージビジュアルも多用しながら構成・デザインしますが、LPは、キャンペーンなどの特設サイトとして、1ページで完結にKPIを達成するために構成します。
一般的にLPは、SNS広告やバナー広告からの遷移先になり、オンラインも含むほかのメディアと連携したコミュニケーション施策の一貫として制作されます。そのためLPは、コミュニケーション施策全体の戦略に基づき、KPIの達成度を判断できる設計にする必要があります。
今回は、LPの役割や、コミュニケーション戦略に基づいたLPの設計方法について紹介していきます。

目次

ランディングページは、全体戦略に準じた設計にする

いざLPを設計すると、ターゲットの購買心理や態度変容に合わせたLPの設計方法がわからない、あるいは、LPの成果を判断する基準を設定できない、などと悩む企業も多くあります。

また、これらの判断基準が社内で共通ルールとして確立していないと、ナレッジの共有や継続的な取り組み、効果的で効率的なマーケティング活動につながらずに、模索している企業もあると思います。

これらの解決方法とポイントを具体的に説明します。 

ランディングページのミッションを明確にする

一般的にLPは、新商品ローンチキャンペーンや既存商品のプロモーション時に、Webマーケティング施策の一部として活用されます。TV-CMや交通広告、OOH、など、全体のコミュニケーション展開の中のオンライン施策の一環として行われることが多い手段です。

全施策の中でメディアにはそれぞれ役割があります。例えば、TV-CMは認知拡大や話題づくりを目的とするメディアであるのに対し、オンライン施策におけるLPの目的は、主にコンバージョン率(CVR)の最大化となります。

LPが他メディアと連携したコミュニケーション全体施策のひとつである限り、その訴求内容や達成目標は、全体の戦略やKPIに準じていなければなりません。ほかのメディアや施策と連動して役割を演じ分けながら、その特性を活かした目的を果たすことがLPの最大ミッションです。     

全メディアが同じ戦略・KPIのもとに計画・実行されることで、コミュニケーション施策全体の効果が最大化し、効果的で効率的なマーケティング活動が可能となります。また、これにより、正誤のジャッジや効果測定をぶれずに行うことができ、成果判断のルールを統一化して社内共有もしやすくなります。    

ここからは、戦略やKPIに基づいたLPの設計方法を、準備段階から実際の制作、効果測定に至るまで、段階別に解説していきます。

戦略に基づいたランディングページの設計方法

Step1【事前準備】
ターゲットのインサイトを徹底リサーチ

LPの一般的な目的はCVRの最大化なので、ターゲットのニーズや、生活者も気づかない潜在的な欲求であるインサイトを導き出す必要があります。これらをきっちり把握して生活者のニーズに応えることが、コンバージョンアップにつながります。    

ターゲットの属性やライフスタイル、購買行動などを具体化したペルソナ設計のほか、必要であればソーシャルリスニングレビュー分析などを実施して、ターゲット心理を明確にしておきましょう。また、キーワードプランナーなど利用して自社商品やサービスに関連するキーワードの検索数を調べると、市場のニーズやボリューム、流入ワードなどを把握できます。さらに、ターゲットの競合商材に対する反応なども調べておくと、より有効なLPの設計につながります。

Step2【事前準備】
現状の重要課題を明確にする

次に、現状の課題を明確にしていきます。

既存のLPがある場合現状の課題を洗い出し、新規で制作する場合は、同様な目的で行った過去の施策から課題を明らかにします。

一般的にLPの成果判断は、サイト訪問者のページビューやユーザー数、滞在時間、コンバージョンなどを可視化するGoogleアナリティクスのデータや、訪問前のユーザー動向を知るGoogleサーチコンソールのデータを分析することで、コンテンツコンディションのほか、SEO効果、収益効果などを把握できます。

LPの効果を把握するだけならこれでも充分ですが、全体施策と連携して行うLPの場合は、これと売上データとの相関関係も確認しておく必要があります。売上が多い曜日や時間帯、アクセス数と売上は比例しているのか、直帰率・離脱率と売上はどうなっているか、売上への貢献度が高いユーザー属性は?などの視点で効果を検証し、LPの課題を明確にしておきます。

Step3【事前準備】
全体戦略・KPIに基づいた成果指標を策定する

課題が浮き彫りになったところで、全体戦略とKPIに準じた具体的な成果指標を策定します。

例えばコミュニケーション全体戦略のKPIが「認知度向上」や「理解促進」であれば、LPのKPIは、読了率や平均滞在時間、各LPコンテンツのクリック数などの、反応の良さを確認できる指標がふさわしいといえます。また、「販売促進」を最終目標とするなら、LPでは、CTAのクリック率、CV、CVR、CPAなどを指標に設定するとよいでしょう。

もちろん、前述した課題解決を確認する指標も設定しておき、売上との相関関係における成果も把握できるようにしておきます。

さらに、これらのKPIや全体戦略に基づいたLPの設計であることは、社内スタッフ、関係部署はもちろん、エージェンシーや制作プロダクションなどと共有しておくようにしましょう。最初に認識を統一しておくことで、作業が効率的に進み、同じ基準・指標による成果判断が可能となります。社内での情報共有や、事案の審議などもスムーズになります。

Step4【LP制作の実践】
全体戦略・KPIに基づいたLPを設計する

続いて、具体的に全体戦略とKPIに沿ったLPを設計していきましょう。

一般的には、以下のポイントに注意して、ワイヤーフレームを構築します。

■ターゲットのベネフィット明記する

事前に調べたターゲットインサイトをもとに、ターゲットが自社の商品やサービスを利用することで、どのようなベネフィットを得られ、どれだけニーズを満たせるかを明記します。競合ではなく自社商材を選択させるためにも、共感を醸成し、使うことによるメリットをイメージさせることが重要です。数字やデータなど、クオリティの信憑性や人気度を裏付けるエビデンスの明示も、説得力が増すので効果的です。

■ターゲットに伝わるビジュアル

ターゲットにとってわかりやすく、魅力的に感じるビジュアルを提供することも、LP制作の重要なポイントとなります。ターゲットが好むデザインテイストやコピーのトーン&マナーを意識して、興味を持って最後まで見たくなる構成や、伝わりやすいメッセージを選択します。

ビジュアルも全体戦略とKPIに基づくので、KPIが認知拡大かブランド好感度形成かによって、テイストやメッセージが変わります。LPでは、特にファーストビューが重要とされていますが、最初に目にする画像やコピーから戦略に応じたビジュアルを採用し、最後まで終始一貫したデザインが、CVRアップやKPI達成につながります。

また、他メディアとのビジュアルの統一や連動も意識するようにしましょう。

■CVRにつながる計算された構成と導線

LPでは、CVRの最大化のために、その流れや導線設計を緻密に行うことが重要です。

事前にリサーチしたターゲットの「興味→関心→比較検討→信頼→行動」という購買行動に沿って、読み進めていくうちに自然と購買したくなる、コンバージョンに進みたくなる状況を作り出します。

新商品発売時のLPの場合、ターゲットへの課題提示・共感醸成→それを解決する商材、そのベネフィット、エビデンス紹介→競合との比較→使用者の声などで構成するのが一般的です。

戦略がブランド好感度形成ならば、エビデンスや使用者の喜びの声のほか、著名人が独占契約をして利用している事実、ブランドアンバサダーが多数いることなど、信頼度や共感度を上げるコンテンツを増やすとよいでしょう。

また、CVへの道のりを目立たせてユーザーの離脱を防ぐCTAは、ユーザーの理解の深度やCVとの相関関係を明確にします。「LPを訪れる前に抱いていた期待」に対して、どの段階で「興味を削がれたか」を確認できるので、検証しながら適切なテキストやデザイン・配置を行うようにします。

■高いユーザビリティ

LPへの訪問者が使いやすい設計にするのも、離脱を防ぎコンバージョンにつなげる重要な対策です。

メリハリがあってわかりやすい構成、見たいところにすぐ遷移できるレイアウト、適切なCTAの配置など、ターゲットの志向やインサイトに基づいた設計にするようにします。

また、応募や購入フォームを簡単に済ませることができるよう、EFO(入力フォーム最適化)も行っておくようにしましょう。

Step5【効果測定】
LP効果だけではなく、広告効果や売上との相関関係で判断する

全体戦略やKPIに準じたLPを制作しているので、その効果測定は、ほかのメディアでの広告効果や、売上との相関関係で判断します。

TV-CMや交通広告などは、判断基準があいまいで効果判定はしにくいものの、リーチなどはチェックしておきましょう。Web広告は、インプレッションなどのアクセス指標を明確にして、LPとの連携度を把握するようにします。

LPでは、サイト内ユーザーの行動把握を行い、コンバージョンの達成度を分析します。

これらのデータと、POSデータ等の売上との相関関係をひもとくことで、施策全体の包括的なKPIの達成度を把握できることになります。

最後に

ターゲットの態度変容に沿ったランディングページを設計するには、全体戦略とKPIに準じた構成・コンテンツにすると効果的です。これにより、他メディアや売上との相関関係もふまえた包括的な成果判断が可能となり、効率的で効果的なさまざまなマーケティング活動につながります。

VENECTでは、効果的なランディングページの設計・制作や、成果判断を元にした、コミュニケーション施策全体のマーケティング支援が可能です。詳しくは、以下のお問い合わせからご相談ください。

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