- この記事でわかること
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- リブアンディングの概要
- リブランディングを実施するタイミング
- リブランディングの進め方を3ステップで解説
- リブランディング成功のポイント
読了目安:7分
長年愛されてきたブランドであっても、時間の経過とともに「新規顧客の獲得数減少」や「自社の意図とズレたブランド認知」、「分かりにくいブランド構造」といった問題が発生し、見直しが必要になるケースは少なくありません。ブランド戦略をアップデートしなければ、ライフスタイルの変化による新たなニーズ・ウォンツを読み取れず、新規顧客へのアプローチ機会を損失したり、ブランドイメージのズレによる他社ブランドへのスイッチが起きてしまったりします。また、商品毎に異なるコンセプトを設定したことでブランド全体の統一感が失われてしまうこともあるでしょう。
マーケットで長く生き残るためには、時代の変化に合わせてブランド戦略を立て直す「リブランディング」が欠かせません。本記事では、リブランディングの具体的な進め方と成功のポイントを解説します。既存ブランドの見直しを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
リブランディングとは
リブランディングとは、既存の商品やサービス、企業自体のブランドを時代の変化に合わせて見直す取り組みのことです。長く支持されていたブランドであっても、時代の変化にともなって生活者の価値観や趣味嗜好も変わり、シェアを失ってしまうケースは少なくありません。そこで、マーケットから完全に忘れ去られてしまう前に、既存のブランド力を活かしながら時代に合わせたブランド戦略の見直しを実行することで、既存ブランドの再生が可能となります。実際に、世の中でロングセラーブランドとして認識されている商品・サービスの多くは、細かなリブランディングを繰り返すことで時代の変化に合わせているのです。
リブランディングを実施するタイミング
かつて幅広い支持を受けていた商品・サービスほど、リブランディングを実施するタイミングには迷うものです。リブランディングを検討すべきタイミングとしては、以下の3つが考えられます。
- ブランドシェアが低下しているとき
- 価格競争に巻き込まれているとき
- 生活者の価値観が変化したとき
後発で登場したブランドにシェアを奪われ、マーケットでの存在感が低下しているときには、自社のブランドが時代の流れに取り残されている可能性があります。また、価格競争に巻き込まれ、利益が圧迫されている場合も同様です。競合他社とのブランド力に差がなくなった結果、生活者に価格で比較されていると考えられるからです。
さらに、生活者の価値観が変化した場合も要注意だといえます。環境問題への関心の高まりやトレンド変容など、次々と状況が移り変わる現代において敏感に情報をキャッチし、自社のブランドが「時代遅れ」にならないようブランド戦略を見直していく必要があります。
リブランディングの進め方を3ステップで解説
リブランディングを実施する際には、以下の3ステップで進めましょう。
- 現状を調査する
- 新たなブランド戦略を立案する
- マーケティング施策に落とし込む
順番に解説していきます。
現状を調査する
まず、既存ブランドの現状を調査しましょう。社内での主観的な考えだけでなく、客観的に自社のブランドがどう認知されているか知ることが大切です。競合他社を含めたブランド認知度調査をすれば、マーケット全体における自社ブランドの現状を的確に把握できます。VENECTではブランド認知度調査も行っていますので、リブランディングによるブランドの再起を検討されている場合は、ページ下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
新たなブランド戦略を立案する
調査によって現状を把握できたら、既存のブランディングのなかで残すべき部分と変えるべき部分をそれぞれ検討し、ブランド戦略を再構築します。ブランドロゴやパッケージなど外見を変えるだけでなく、ブランドコンセプト自体を見直す必要があるかもしれません。新たなブランド戦略を立案する際には、以下5つの項目に分けて検討しましょう。
- 目標設定
- コミュニケーション設計
- 年間計画
- 施策企画
- データマネジメント
企業としてのゴールとそのために必要なKPIの設定、ターゲットに対するアプローチ方法の設計、目標達成に向けた年間予算や企画スケジュールの策定、顧客・マーケットに関するデータの活用など、ブランド戦略の全体的な見直しが必要になります。
関連記事:「ブランディングとは?意味や目的、流れをわかりやすくご紹介」
マーケティング施策に落とし込む
新たなブランド戦略を立案できたら、それをもとにマーケティング施策を練り直します。新たに設定したコンセプト・ターゲットに合わせ、ブランドとして発信するメッセージやコミュニケーションの手段も見直す必要があるでしょう。新たなブランド戦略に基づくマーケティング施策を実行するなかで、戦略立案時の仮定とズレが生じるケースもあります。継続的にPDCAを回し、マーケティング活動の再現性を高めていくことが重要です。
リブランディング成功のポイント
リブランディングを成功させるためのポイントとして、ここでは以下の3点を紹介します。
- 従来のブランディングを活かす
- 客観的なデータにもとづいて判断する
- コンセプトを明確に発信する
こちらも順番に見ていきましょう。
従来のブランディングを活かす
リブランディングでは、過去のブランドイメージをうまく活かすことで、売上をある程度維持したままブランド戦略の変更が可能となります。過去に築き上げてきたブランドを無視してゼロから作り直してしまえば、ブランドコンセプトを市場に浸透させるのに途方もない時間がかかるでしょう。無理にすべてを変えるのではなく、活かせる部分は活かすように意識しましょう。
客観的なデータにもとづいて判断する
リブランディングを検討する際には、客観的なデータにもとづいて判断することが重要です。主観的な考察によってリブランディングの方向性を決めることは、大きなリスクをともないます。企業が思い描くブランドイメージと生活者が抱く印象には乖離があるケースが少なくありません。多少手間がかかっても、調査によって客観的なデータを取得したうえで判断することが大切です。
コンセプトを明確に発信する
リブランディングによってブランドコンセプトを見直しても、それが生活者に伝わらなければ意味がありません。新たなコンセプトを明確に発信しなければ、「ロゴが新しくなった」といった程度の印象しか残らないでしょう。生活者の意思決定基準を踏まえ、新たなブランドコンセプトが明確に伝わるメッセージに仕上げることが大切です。ブランドメッセージを検討する際のありがちな失敗例として、自社に都合のよい形で生活者の意思決定基準を変化させてしまうケースが挙げられます。機能面がいかに優れているかを訴求するだけでは、ターゲットユーザーには響きません。その機能がもたらす具体的なベネフィットを提示することで、生活者の意思決定基準を満たすとともに、メッセージの送り手(=企業)の意図と受け手(=生活者)の理解を一致させることが重要です。
最後に
マーケティングの戦略立案〜実行支援まで一気通貫で行うVENECTでは、変化を続ける生活者の生活様式に合わせたマーケティング支援を行い、顧客体験を設計することが可能です。 以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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