企業としての競争力を維持・向上させるため、DX推進に興味を持つ企業経営者・担当者の方は多いでしょう。本記事では、DXにおける費用対効果の考え方について、その検証が難しい理由や高め方も含めて解説します。
- この記事でわかること
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- DXにおける費用対効果の考え方
- DXの効果検証が難しい理由
- DXの費用対効果を高める方法
読了目安:7分
企業としての競争力を維持・向上させるため、DX推進に興味を持つ企業経営者・担当者の方は多いでしょう。しかし、DXの費用対効果をうまく算出できず、プロジェクトの推進に踏み切れないケースが少なくありません。DXプロジェクトの価値を正しく認識するためには、費用対効果の考え方を理解し、長期的かつ網羅的にメリットを捉えることが求められます。本記事では、DXにおける費用対効果の考え方について、その検証が難しい理由や高め方も含めて解説します。DXプロジェクトの推進を検討している企業経営者・担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
DXにおける費用対効果の検証が難しい理由
まず、DXにおける費用対効果の検証が難しい理由として以下の3点を解説します。
- 目標が不明確になりがちである
- 成果が長期間にわたる
- 定量化の難しい要素がある
順番に詳しく見ていきましょう。
目標が不明確になりがちである
DXの推進は企業経営にさまざまな面でメリットをもたらしますが、そのぶん将来像が曖昧になりがちです。DXプロジェクトによって短期的な業務の効率化に期待する担当者もいれば、長期的なビジネスモデルの変革を望む担当者もいるでしょう。DXプロジェクトのビジョンを社内で整理し、目標を明確にしておかなければ、その効果検証も困難になります。
参考記事:「企業がDXを推進する目的とは?具体的な実践事例も解説」
成果が長期間にわたる
DXには業務の効率化といった短期的な成果も期待できますが、ビジネスに変革をもたらすような大きな変化には時間がかかるものです。例えば、新たなツールの導入によって顧客ニーズを細かく把握することが可能になり、それぞれの顧客に合わせた商品提案が可能になるといったケースが挙げられます。この場合、まずは新たなツールで十分なデータを蓄積する必要があるため、DXプロジェクトの開始当初からメリットを享受できるわけではありません。このようにDXプロジェクトは長期にわたってメリットをもたらすものであるため、その費用対効果の検証が難しいという側面があります。
定量化の難しい要素がある
DXの効果は定量化しやすいものばかりではありません。顧客満足度や従業員満足度、ブランドイメージの向上などは定量化しにくく、費用対効果の検証が難しい要素です。また、これらは直接的に売上・利益につながる項目ではないため、どの程度重視すべきか判断が分かれるポイントでもあります。DXプロジェクトをスタートする前に事業経営において重視すべき指標を整理したうえで、それらを数値化し、比較可能な状態にしておく必要があるでしょう。
DXにおける費用対効果の考え方
DXにおける費用対効果を正しく捉えるためには、以下3つのポイントが重要です。
- 初期投資とランニングコストを分ける
- 定量・定性の両面で評価する
- 長期目線で算出する
こちらも順番に見ていきましょう。
初期投資とランニングコストを分ける
DXプロジェクトでは、新たなシステムやツールを導入し、業務の効率化やビジネスモデルの変革を図るのが一般的です。その際、初期投資としてシステムやツールの開発そのものにかかるコストと、その保守・運用にかかるコストがそれぞれ発生します。大きなシステムを導入する場合、そのコストを短期間で回収するのは困難です。初期投資とランニングコストは分けて考え、「長期目線で初期投資を回収できるのか」「日々の事業活動においてランニングコストを上回るメリットを享受できるのか」といった視点で考えるのがよいでしょう。
定量・定性の両面で評価する
DXの効果は、定量・定性の両面から評価することで正しく認識できます。売上や費用といった定量化しやすい指標はもちろん、ブランド認知度や従業員満足度なども可能な限り数値化し、評価対象とするのがよいでしょう。一見数値化が難しいような指標でも、同じ方法でプロジェクト開始前と開始後に調査を実施すれば、客観的な分析が可能です。そのためには、企業として重視すべき指標を整理しておくことも大切です。
長期目線で算出する
DXプロジェクトの効果は長期目線で算出することも重要です。将来に向けたビジョンを明確にし、新たに創出されるビジネスモデルから得られる利益も盛り込むことで、より大きな効果を見込めるようになります。そのためには、DX推進によって新たに得られるデータなどを元にどのようなビジネスモデルの変革を行うのか、事前に具体的な事業プランに落とし込んでおく必要があります。既存業務の効率化だけでなく、企業としての競争力を高められるような変革を計画に盛り込みましょう。
参考記事:「DXの成功事例7選!大企業からベンチャーまで幅広く紹介」
DXプロジェクトの費用対効果を高める方法
ここでは、DXプロジェクトの費用対効果を高める方法として以下の3点をご紹介します。
- コストの抑制を図る
- 既存業務の効率化を徹底する
- ビジネスモデルに変革をもたらす
順番に詳しく解説します。
コストの抑制を図る
まず、DX自体にかかるコストの抑制を図ることで、当然ながら費用対効果は高まります。コストの抑制に伴って得られるメリットが減少してしまっては本末転倒ですが、最近ではクラウド型のサービスなど安価に導入できるものも増えています。DXといえば大がかりなシステム開発などをイメージするかもしれませんが、安価な代替手段によって同様の効果を得られるケースも少なくありません。
既存業務の効率化を徹底する
既存業務の効率化は、より確実性の高い効果として見込むことが可能です。既存業務にかかる人数や時間を削減できるなら、DXがもたらす直接的な効果として関係者の理解も得やすくなるはずです。システムやツールの導入によってまとめて効率化できる部分がないか洗い出し、計画に盛り込みましょう。
ビジネスモデルに変革をもたらす
既存業務の効率化も大きなメリットをもたらしますが、それだけではDXとはいえません。既存ビジネスに変革をもたらしたり、新たなビジネスモデルを構築したりすることで、より大きなメリットが得られます。それらによって得られる競争優位性を元に将来的な売上・利益を算出し、費用対効果の計算に盛り込むことでDXプロジェクトの価値をより正確に認識できます。
参考記事:「DX推進計画の立て方を5ステップで解説 プロジェクト成功のポイントとは」
最後に
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