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新規事業におけるピボットの重要性
検討タイミングや判断基準を解説

新規事業の立ち上げでは、事業の軌道修正や方針の変更を行う「ピボット」を検討すべきタイミングが複数あります。本記事では、ピボットの重要性や検討すべきタイミング、成功のコツなどを解説します。

この記事でわかること
  • 新規事業におけるピボットの重要性
  • 新規事業でピボットを検討すべきタイミング
  • 新規事業のピボットを成功させるコツ

読了目安:7分

新規事業において、ピボットは事業の成否を左右する重要な取り組みの1つです。当初の計画通りに進まない場合や、市場環境が大きく変化した場合には、方針の変更を検討しなければなりません。本記事では、新規事業におけるピボットの重要性や検討すべきタイミング、判断基準について詳しく解説します。

新規事業におけるピボットとは

新規事業におけるピボットとは、事業の軌道修正や方針の変更を行うことです。ピボットにはもともと「回転軸」という意味があり、ビジネスにおけるピボットは「当初のビジョンを軸に方針を転換する」というニュアンスで使われます。そのため、事業を一から見直すような大きな取り組みから、ターゲットを変更するといった比較的小さな変更まで、ピボットの内容は大小さまざまです。

新規事業のピボットは悪いことではない

新規事業のピボットは、決して悪いことではありません。新規事業の立ち上げは当初の計画通りに進むケースは稀で、状況に応じた軌道修正が不可欠です。新規事業のためにかけた手間や時間が大きいほど、サンクコストが足かせとなってピボットに踏み切れないケースも多いでしょう。しかし、判断が遅れるほど損失が膨らむ可能性も高まるため、適切なタイミングでピボットに取り組むことはとても重要です。

関連記事:「新規事業の立ち上げでよくある課題とその対策を徹底解説

新規事業のピボットを検討すべきタイミング

新規事業の立ち上げでは、次のようなタイミングでピボットの必要性を検討しましょう。

  • 商品・サービスの開発段階
  • テストマーケティングの段階
  • ローンチからしばらく経過した段階

それぞれのタイミングについて、以下で解説します。

商品・サービスの開発段階

マーケット調査を行うと、想定よりもニーズが少なかったり市場規模が小さかったりするケースがあります。事業計画の前提と異なる状況であれば、ピボットを検討すべきタイミングだといえます。「より大きな市場を狙う」「ニーズに合うよう商品やサービスの方向性を見直す」など、マーケット調査の結果に基づいて必要なピボットを行いましょう。

テストマーケティングの段階

商品やサービスの試作品を使ってテストを行ったものの、期待していた成果が得られなかった場合にもピボットの検討が必要です。例えば、テスト段階でユーザーの反応が悪かったり、想定していた売上やニーズが見込めなかったりした際は、現状のコンセプトや販売戦略などの見直しを行いましょう。なぜ期待した結果が得られなかったのかを分析し、新しい方向性を検討することで、新規事業の成功確率を上げられます。

ローンチからしばらく経過した段階

ローンチからしばらく経過した段階でも、ピボットの検討が必要なケースはあります。当初の想定通りに事業を拡大できていない場合は、方向性の見直しや事業戦略の改善が必要です。例えば顧客の反応が期待通りではなかったり、競合他社が急速にシェアを拡大したりしている場合、当初の計画通り進めることはリスクになりえます。市場の動向やユーザーのニーズは常に変化するため、ローンチ直後の反応は良かったとしても、それが継続するとは限りません。そのため、ローンチ後にも柔軟に方針を変更することが求められます。

新規事業をピボットする際の判断基準

新規事業をピボットする際の判断基準としては、次の2つが挙げられます。

  • 十分なマーケットサイズがあるか
  • 想定した事業環境は維持されているか

上記2つの判断基準について、以下で詳しく見ていきましょう。

十分なマーケットサイズがあるか

新規事業で売上・利益を伸ばすためには、目標とする顧客数を確保できるかどうかが重要です。どれだけ優れた商品やサービスを提供しても、十分なマーケットサイズがなければ目標は達成できません。事前に念入りなマーケット調査を行い、ターゲットとする市場規模を正確に把握しましょう。「十分な顧客数を確保できるか」「ターゲット市場が継続して成長する見込みがあるか」などを調査し、想定と異なる場合はピボットを検討します。

関連記事:「新規事業の計画立案に欠かせない「市場規模」の調べ方は?活用方法とあわせて解説

想定した事業環境は維持されているか

想定した事業環境が維持されているかどうかも、ピボットの判断基準になります。新規事業の計画策定やプロジェクトの推進に際し、想定した事業環境と大きく異なる事態に直面した場合には、ピボットの検討が必要です。例えばコロナ禍では、市場の動向やユーザーのニーズに大きな変化が生じました。このようなケースでは事業計画を立てたときと前提が大きく変わるため、そのままの戦略では事業の成功確率が下がる可能性があります。

新規事業のピボットを成功させるコツ

新規事業のピボットに取り組む際には、次の3つのポイントを意識しましょう。

  • 事業の目的を整理する
  • アセットを有効活用する
  • 関係者の理解を得る

事業の目的を整理する

新規事業におけるピボットでは、事業の軸となるビジョンを維持しながら方針の転換を進めることが大切です。そのため、事業の目的を整理したうえで、具体的な施策を検討しましょう。「誰にどのような価値を提供するのか」「事業の最終的なゴールは何か」などを改めて明確にし、当初の目的に合致する範囲でピボットを検討する必要があります。

関連記事:「新規事業における成功の定義とは?主な成功要因とあわせて解説

アセットを有効活用する

ピボットを成功させるためには、既存のアセットを最大限に活用することも大切です。新たに大きな投資を行うことなく、すでに投資したものや既存の事業資産などを別の形で活用できないか検討してみてください。サンクコストがピボットの足かせとなるケースもありますが、これまで投資したものをアセットとして有効活用する方法が見つかれば、ピボットに踏み切れる場合も多いでしょう。

関係者の理解を得る

円滑にピボットを進めるために、関係者の理解を得ることも非常に重要です。方針が変わると不信感や不満を持つメンバーも出てくるため、「なぜピボットが必要なのか」を明確にしてメンバーに共有しなければなりません。客観的なデータに基づいた方針転換でなければ、メンバーの理解は得られないでしょう。マーケット調査の結果や計画との売上推移の差など、ピボットが必要だと判断する明確な理由を示すことが大切です。

最後に

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