新規事業を安定させるには、グロースフェーズに入ったときに適切な対策を行うことが大切です。本記事では、新規事業のグロースフェーズにおける課題とその解決方法をご紹介します。
- この記事でわかること
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- 新規事業のグロースフェーズにおける課題
- 新規事業をグロースさせるためのステップ
- 新規事業のグロースを成功させるポイント
読了目安:6分
新規事業が軌道に乗り始めた段階のことを、グロースフェーズといいます。事業がグロースフェーズに入ったら立ち上げ初期とは違った課題が出てくるため、適切に対処しなければなりません。本記事では、新規事業のグロースフェーズにおける課題とその解決策をご紹介します。新規事業の立ち上げを検討している方や、立ち上げた事業が軌道に乗り始めたという方は、ぜひ参考にしてみてください。
新規事業のグロースフェーズにおける課題
新規事業のグロースフェーズでは、以下のような課題に対応しなければなりません。
- 拡大した組織のマネジメント
- 継続的な顧客の獲得
- リソースの適切な割り振り
- 安定した収益の確保
上記4つの課題について、詳しく見ていきましょう。
拡大した組織のマネジメント
新規事業が軌道に乗ってくると、事業規模を拡大するために関わるメンバーを増やすケースが少なくありません。このとき、指揮命令系統やコミュニケーションツールの整備を怠ると、情報伝達や方向性の共有がうまくいかず事業運営に支障をきたす可能性があります。特に、一度に多くのメンバーを追加した場合には注意が必要です。組織が大きくなるほどマネジメントは複雑化するため、組織を拡大しても問題なく事業を進められるような体制や環境の整備が求められます。
継続的な顧客の獲得
新たなプロダクトのローンチ直後は、商品やサービスの新規性によって顧客を獲得できることもあります。しかし、グロースフェーズに入って以降も継続的に顧客を獲得するには何らかの工夫が必要です。新規性だけに頼っていては、長期的に利益を生み出すことはできません。例えば、初期はそれほど競合が多くなかったとしても、新規事業が好調で市場が成長してくると競合が次々と参入してくる可能性があります。このときに何も対策しなければ、あとから参入した競合に既存顧客を奪われてしまうかもしれません。長期的に利益を生み出して事業を安定させるためには、グロースフェースで継続的に新規顧客を獲得し続けることや、既存顧客に継続利用してもらうための対策が必要です。
関連記事:「PDCAサイクルによる新規事業改善の方法とポイントを徹底解説」
リソースの適切な割り振り
事業が軌道に乗ると、さまざまなKPIを設定して対応策を実施したり、新たな商品・サービスの開発に着手したりと、人手やコストなどのリソースが分散してしまいがちです。もちろん既存事業の運営にもリソースをかけなければならないため、リソースの適切な割り振りが求められます。複数のKPIを追いかけることや新たなプロダクトの開発も重要ですが、リソースは限られています。より重要度の高いものにリソースをかけるよう社内全体の意識づけを行い、効率的に取り組むことが大切です。
安定した収益の確保
新規事業の立ち上げ時は赤字を見込んでいるケースがほとんどですが、グロースフェーズに入ると収益化を意識しなければなりません。単純に「売れればいい」というものではなく、コストを差し引いてどの程度の利益が得られているのかを考えることが重要です。例えば多くの新規顧客を獲得できていても、顧客一人当たりを獲得するために多くのコストがかかっている状態では、大きな利益は見込めません。安定した収益を確保するには、各施策の費用対効果を意識しながら顧客獲得を目指す必要があります。
関連記事:「新規事業における成功の定義とは?主な成功要因とあわせて解説」
新規事業のグロースを成功させるために
新規事業のグロースを成功させるために、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 運営体制を整備する
- リピート獲得に注力する
- 特定のKPIにフォーカスする
- 商品・価格を見直す
それぞれどのような対応が求められるのか、以下で解説します。
運営体制を整備する
まず、組織が拡大しても問題なくマネジメントが行えるよう、運営体制を整備してください。細分化したチームごとに管理者を置いてマネジメントしやすくしたり、情報伝達経路や連絡窓口を明確にしたりするなど、指示の伝達や現場意見の吸い上げがしやすい組織体制を整えましょう。また、チャットツールやタスク管理ツールなど、コミュニケーションや業務を効率化するツールの導入も効果的です。
リピート獲得に注力する
長期的に支持される商品やサービスを生み出すには、リピーターの獲得が不可欠です。事業を立ち上げたばかりの頃は新規顧客の獲得に注力する必要がありますが、グロースフェーズに入ってからは徐々にリピート顧客の獲得にシフトしていきましょう。新規顧客の獲得は既存顧客への販売よりも多くのコストを要するのが一般的であり、ある程度の顧客を獲得できた状態ならリピート購入を促すほうが高い費用対効果が見込めます。
特定のKPIにフォーカスする
売上・顧客獲得数・リピート率・顧客満足度など、KPIにはさまざまな指標が用いられますが、KPIを多く設定しすぎるとリソースが分散したり方針がブレてしまったりする原因になります。このような事態を防ぐため、より重要度の高い特定のKPIにフォーカスするのがポイントです。どのKPIにフォーカスすべきかは、事業の内容や現状によって異なります。いずれにしても、注力すべきKPIを経営層が明確にしたうえで組織のメンバーに共有することが大切です。
関連記事:「KPIとは?KGIとの違いや設定する方法を 正しく理解しよう」
商品・価格を見直す
グロースフェーズに入ると、顧客からのフィードバックがある程度溜まってくるでしょう。顧客満足度が高ければ現状の方針のままでも問題ありませんが、場合によっては商品や価格を変更する必要があるかもしれません。リピート購入や収益拡大の阻害要因になっているものがないか確認し、必要に応じてマーケティング戦略の見直しを進めてください。
最後に
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